The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
しかし。

意気込みだけで頭が良くなるなら、苦労はしない。

また分からない問題が出てきて、俺は頭を悩ませた。

…困ったな。

すぐ人に聞くのは良くないと思っているが、でも分からないまま頭を悩ませていても時間の無駄だ。

なら、早いところ聞いてしまおう。

セトナ様に聞けば、優しく教えてもらえるのだろうが。

それでは意味がない。今までサボってきたぶん、厳しく教えてもらわなくては。

ここはやはり、ルレイア殿に。

そう思って、顔を上げたが。

「ルルシ~。分からないとこあります~?俺が何でも教えてあげますよ~。何ならルルシー本人も知らない、ルルシーのスリーサイズを教えてあげても良いですよ」

「何で知ってんだよ…。いつ測ったんだ?」

「測ってませんよ。俺ほどの手練にもなると、抱きついたときの感触で相手のスリーサイズくらい言えます」

「…」

どや顔のルレイア殿に、ルルシー殿は俯いて嘆いていた。

な、何だか…取り込み中、って感じだな…。

質問したいのだが…させてもらえそうにない雰囲気だ。

でも、だからってルレイア殿に教えてもらえる貴重な時間を、一分でも無駄にする訳にはいかない。

「あの、ルレイア殿」

「ルルシ~。何か俺に聞きたいことありますか~?」

「ない」

「…」

無視されてしまった。

声が小さかったか。

「ルレイア殿…あの、ちょっと聞きたいことが」

俺は少し声を大きくして、ルレイア殿を呼んだ。

しかし。

「うふふ、ルルシー。あなたになら何でも教えてあげますよ。手取り足取り…。何ならベッドで教えてあげても…」

「やめろ」

駄目だ。やっぱり気づいてもらえない。

しかし、俺は諦めないぞ。

「ルレイア殿!ちょっと宜しいですか」

「…………あ?」

何だお前?みたいな顔で睨まれた。

思わず足がすくんでしまいそうだった。ルルシー殿と戯れているときのルレイア殿を、邪魔してはいけないのだと知った。

だが、それでもなんとか呼び止めることに成功したので。

「あの…ここ、分からないので教えて頂けたら…」

「ちっ。面倒臭いですねぇ」

「ルレイア…。お前が言い出したことなんだから、ちゃんと教えてやれよ」

「はいはい」

ルルシー殿にたしなめられ、ルレイア殿は渋々ながらも俺の方に来た。
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