The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「で?何処が分からないんですか」
ルルシー殿には、あんなにべたべたと猫撫で声で話していたのに。
俺に対しては、この面倒臭そうな口調。
これくらいで良いのだ。ここでも優しくされたら、俺の為にならない。
厳しくされるくらいが丁度良い。
「ここです…。ここの…アシスファルト語の文法が…」
「あぁん?アシスファルト語ごときで躓くなんて、馬鹿ですかあなた。あんなの第二母国語みたいなもんですよ…。で、何処です?」
「この問題の訳が…ちょっと分からなくて」
「はぁ?この程度で躓いてどうするんですか。良いですかあなた、他国の言語なんて習得する必要はないと思ってるのかもしれませんけど、国を引っ張る者にとって、他国の言語を会得しておくことは必須条件ですよ」
…そう、なのか?
「他国との会談の際、自分の目の前で、他国語であなたを騙す相談をされたらどうするんですか?通訳を入れたって、完全に翻訳してくれる訳じゃないんですよ。その国特有の、絶妙なニュアンスまでは通訳してくれないんですからね」
「はい…」
確かに、その通りだ。
つくづく俺は、考えが甘い。
「全く…で?何処まで訳せてるんです」
「えっと…『夜になるとあなたの床は、とても明るく、強くなって素晴らしい』…?」
と、しか訳せなかったのだが。
何が言いたいのか分からない。
意味が通じないということは、訳し方を間違えているのだと思う。
「あぁ、その文章ですか…。それはですね、単語の訳し方が甘いんですよ。そこは明るく、じゃなくて魅惑的…いや、官能的の方が良いですね。それと強く、じゃなくて激しく…の方が良い文になります」
…は?
「更に、あなたの床は、は助動詞の訳し方を間違ってます。これは…床でのあなた、つまりベッドでのあなたは…という意味になりますね」
「は、はぁ…」
「つまり全て綺麗に訳すと…『夜のベッドでのあなたは、とても官能的で激しくて良い』になりますね」
うふふ、と妖艶に微笑んだルレイア殿の後頭部を、ルルシー殿がべしっ、と叩いた。
「なんて破廉恥な文章読ませてるんだ、お前は」
「酷い、ルルシー!俺はこんなに真面目に教えているのに。それにこの問題集、市販されてる高校生向けのものですよ」
「本当か…?」
ルティス帝国の高校生は…随分とその…早熟であるらしい。
それだけ性にフリーだということなのか…。そういえばルレイア殿も、男同士なのにルルシー殿にくっついているし…。
とにかく、さっきまでの疑問は解決したので…良しとしよう。
もしかして、他にもこんな問題があるんじゃないだろうな…。
ルルシー殿には、あんなにべたべたと猫撫で声で話していたのに。
俺に対しては、この面倒臭そうな口調。
これくらいで良いのだ。ここでも優しくされたら、俺の為にならない。
厳しくされるくらいが丁度良い。
「ここです…。ここの…アシスファルト語の文法が…」
「あぁん?アシスファルト語ごときで躓くなんて、馬鹿ですかあなた。あんなの第二母国語みたいなもんですよ…。で、何処です?」
「この問題の訳が…ちょっと分からなくて」
「はぁ?この程度で躓いてどうするんですか。良いですかあなた、他国の言語なんて習得する必要はないと思ってるのかもしれませんけど、国を引っ張る者にとって、他国の言語を会得しておくことは必須条件ですよ」
…そう、なのか?
「他国との会談の際、自分の目の前で、他国語であなたを騙す相談をされたらどうするんですか?通訳を入れたって、完全に翻訳してくれる訳じゃないんですよ。その国特有の、絶妙なニュアンスまでは通訳してくれないんですからね」
「はい…」
確かに、その通りだ。
つくづく俺は、考えが甘い。
「全く…で?何処まで訳せてるんです」
「えっと…『夜になるとあなたの床は、とても明るく、強くなって素晴らしい』…?」
と、しか訳せなかったのだが。
何が言いたいのか分からない。
意味が通じないということは、訳し方を間違えているのだと思う。
「あぁ、その文章ですか…。それはですね、単語の訳し方が甘いんですよ。そこは明るく、じゃなくて魅惑的…いや、官能的の方が良いですね。それと強く、じゃなくて激しく…の方が良い文になります」
…は?
「更に、あなたの床は、は助動詞の訳し方を間違ってます。これは…床でのあなた、つまりベッドでのあなたは…という意味になりますね」
「は、はぁ…」
「つまり全て綺麗に訳すと…『夜のベッドでのあなたは、とても官能的で激しくて良い』になりますね」
うふふ、と妖艶に微笑んだルレイア殿の後頭部を、ルルシー殿がべしっ、と叩いた。
「なんて破廉恥な文章読ませてるんだ、お前は」
「酷い、ルルシー!俺はこんなに真面目に教えているのに。それにこの問題集、市販されてる高校生向けのものですよ」
「本当か…?」
ルティス帝国の高校生は…随分とその…早熟であるらしい。
それだけ性にフリーだということなのか…。そういえばルレイア殿も、男同士なのにルルシー殿にくっついているし…。
とにかく、さっきまでの疑問は解決したので…良しとしよう。
もしかして、他にもこんな問題があるんじゃないだろうな…。