The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

──────…ルアリスが、真面目に予習復習に励んでいたのも露知らず。

翌日。

「さて、それでは補習授業を始めましょうか。まず点呼を取ります…ルルシー」

「…はい」

あら。ルルシー返事が小さい。

体調が優れないのかな?なら今日の授業は、出来るだけ「優しく」教えてあげないとな。

俺は親しみやすくて優しい、生徒に好かれるタイプの教師だからな。

「次、ルアリスさん」

「はい」

ルアリスの方は、元気そうな返事ではあるが、目の下に隈が出来ている。

どうやら寝不足のようだな。こちらも体調が万全という訳ではなさそうだ。

なら今日の授業は、敢えて出来るだけ厳しく教えてあげないとな。

俺は飴と鞭を使い分ける、熱心で真面目な教師だからな。

ルルシー大好き。

さて、それでは授業に入ろう。

「今日二人に集まってもらったのはですね…。昨日も言いましたが、二人が落第点だからです」

「…」

「…はい」

ルルシーは無言、ルアリスは一応返事をした。

どうやらルルシーは納得が行かないようだな。

「だから今日、俺が特別に補習授業を行います。良いですか、二人には…決定的に赤点の科目があります」

「…??」

ルアリスは、間抜け顔で首を傾げていた。

全く、こいつはこれだから。

「はい、ルアリスさん。その科目は何ですか?」

「えっ」

ルアリスは俯いて、しばし考えた。

そして絞り出した結論は。

「…アシスファルト語…ですかね」

「…」

はぁ、呆れたもんだ。

こいつの馬鹿さ加減には、何度も呆れたものだが。

やっぱり呆れる。

ルアリスがアシスファルト語喋れないのは勝手だけど、ルルシーは別にアシスファルト語苦手じゃないよ。

お前だけだ、苦手なのは。

「違いますよ」

「あ、そ…そうなんですか。じゃあ…何の科目ですか?」

そうだなぁ。じゃあ、教えてやろうか。

「二人に欠けている科目…それは」

言うまでもない。俺が一番得意で、そして二人が一番苦手な、

「保健体育、です」

そのときのルアリスのぽかーん顔は、待ち受けにしたいほど間抜けなものだった。
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