The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
するとルレイア殿は、更にとんでもないことを言い出した。

「あ、それともルアリスさんはあれですか。男性の方が好きなんですか?」

「は?」

「成程、いや…俺はアリだと思いますよ。同性同士なんて生産性がないなんて言われますけどね。異性だったら必ず生産するとも限りませんし。同性だろうと異性だろうと、そこに愛があれば関係ありません。で…誰ですか?やっぱりあの執事さん?」

え?ユーレイリーのこと?

そりゃユーレイリーは大事な仲間だし、非常に有能な執事だけど。

「執事と主人が結ばれるって、なんかあれですねぇ。レディースエロコミックみたい。一部の層が騒ぎそうな恋愛してますね。ただ同性同士って性病とか気を付けないといけないので…」

「ち、違いますよ!俺は別に、ユーレイリーとは、何もありません!」

「は?」

同性同士なんて、考えたこともなかった。

箱庭帝国では、基本的に同性愛は認められていない。

俺もその気はないし、周りにもそんな人はいないし…。深く考えたこともなかったが。

とにかく、俺自身はそういう性癖はない。

全くない。

「なぁんだ…。じゃ、あなた何ですか。そんなに頑なにヤらないって…EDなんですか?」

「…余計なお世話です…。心配には及びません」

別にEDって訳じゃありません。

放っておいてください。

「じゃあエロ本とか読んだりするんですか?ルティス帝国には充実してるでしょう。俺は必要ありませんけどね」

「…ルレイア殿はその…今まで何人の方と付き合ってこられたんですか?」

聞くまいと思っていたが、やっぱり聞いてしまった。

だっていくらなんでも…貞操観念の崩壊ぶりが著しい。

「付き合ってきた人数?それは一人ですよ。ルルシー一人」

「一人なんですか?」

え。

なんだ…ルレイア殿、もう十人くらいと付き合ってるような口ぶりだったのに。

この人も、意外に純情で、

「ただ、遊んできた人数は山ほどいますけどね」

「…」

…前言、撤回。

全然純情じゃなかった。

むしろ、極悪人だった。

付き合ってすらないのか…遊んできたのか…。酷い。

「…具体的には…何人ほど…」

10人とか?

20人とか?

まさかそれ以上じゃないよな…と思っていたら。

「あなたは、今までに食べてきた米粒の数を覚えてるんですか?」

…とんでもない答えが返ってきた。

パンじゃないぞ。今まで食べてきた米粒だぞ。

一体どんな恐ろしい数なんだろう。

あっ、やばい。鳥肌。

「良かったら何人か紹介しましょうか?俺のお古ですけど。貸しますよ」

「い、いえ、結構です…」

そんな、漫画やゲームのように貸し借りするものじゃないだろう。

この人、本当どうかしてるぞ。

「あなた新品じゃないと嫌ってタイプですか?でも処女って面倒臭いのでやめた方が良いですよ。今まで何人か食べてきましたけど、やっぱり少し慣れてる方が食べ応えがあって…」

食べ応えって何ですか。

不味い…そろそろ目が回ってきた。

と、思っていたとき。

「ルレイア…そのくらいにしてやれ」

この世で唯一ルレイア殿を止められる勇者が、ルレイア殿にストップをかけた。

彼の一言が、どんなに有り難かったことか。
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