The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「え~。もう終わりですか。良いところだったのに…」

…何が?

良い感じに、俺を追い詰めてたってこと?

「大体、これの何処が保健体育だ。ただの恋バナじゃないか…。もういい加減にしてやれ。ルアリスが困ってるだろ」

ルルシー殿…なんて良い人なんだ。

彼がいて良かった。

「仕方ないですねぇ…。じゃあここまでにしてあげましょうか」

ルルシー殿が止めると、ルレイア殿も止まってくれるようだ。

有り難い。

するとルレイア殿がくるりと振り向いて、俺にこう釘を刺した。

「ただし、ルアリスさん。俺の言ったこと、忘れないでくださいよ。箱庭帝国の代表を世襲制にするのか、選挙制にするのかは知りませんが…。いずれにせよ、あなたの後を継ぐ者は必要でしょう」

「…」

俺の…後を継ぐ者?

「王や貴族が後継ぎに躍起になってるのは、それなりの理由があるからですよ。…個人的には、そんなものは滅びた方が良いとは思いますけどね」

「…ルレイア殿、それは…どういう、」

意味ですか、と…尋ねようとした俺の言葉は。

突然の来訪者によって遮られた。

そして、俺の仮初めの平和が、ここで潰えた。






「坊っちゃん!大変です!」




血相を変えたユーレイリーが、室内に飛び込んできたことによって。





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