The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
憲兵局本部の大会議室では、怒号と罵声が飛び交っていた。
「調査によると…革命軍は『青薔薇解放戦線』と名乗り、ルティス帝国に腰を据えるようです」
調査に当たった新米の憲兵局員は、古株の局員達を前に、声を震わせながら報告した。
古株達の険しいしかめ面を見れば、声が震えるのも無理はない。
とばっちりでお前も処刑だと言われてもおかしくない雰囲気なのだから。
「『青薔薇解放戦線』だと?気取った名前をつけおって」
私もそう思う。
『青薔薇解放戦線』なんて…嫌な名前だ。
しかしそれよりも。
「革命軍のリーダーは?指導者はまだ分からんのか!?」
古参の局員が気にしているのは、革命軍のリーダーのことだった。
一体誰が、この前代未聞の事態を引き起こしたのか。
それは私も気になっていた。
しかし。
「す、済みません…。リーダーに関してはまだ…」
新米局員は、泣きそうになりながら答えた。
「まだ分からないだと?ちゃんと捜査してるんだろうな!?」
「も、勿論です」
「姿を見た者がいるはずだろう!何故分からないんだ?みすみす見逃したというのか」
見逃すも何も。
革命軍が国境を越えるとき、現場にいた警備兵は全員処刑したではないか。
死んだ者に、どうやって確かめるというのか。
誰でも彼でも、気に食わない者は全員処刑なんてやり方をいつまでも続けているから、こんなことになるのだ。
同僚の無能ぶりに嫌気が差していた、そのとき。
「リーダーの素性が分からなくても…ある程度推測は出来る」
初老の男性が一言そう言うと、この場にいた全員が黙った。
大将軍、ディルク・フォルカーティンである。
「調査によると…革命軍は『青薔薇解放戦線』と名乗り、ルティス帝国に腰を据えるようです」
調査に当たった新米の憲兵局員は、古株の局員達を前に、声を震わせながら報告した。
古株達の険しいしかめ面を見れば、声が震えるのも無理はない。
とばっちりでお前も処刑だと言われてもおかしくない雰囲気なのだから。
「『青薔薇解放戦線』だと?気取った名前をつけおって」
私もそう思う。
『青薔薇解放戦線』なんて…嫌な名前だ。
しかしそれよりも。
「革命軍のリーダーは?指導者はまだ分からんのか!?」
古参の局員が気にしているのは、革命軍のリーダーのことだった。
一体誰が、この前代未聞の事態を引き起こしたのか。
それは私も気になっていた。
しかし。
「す、済みません…。リーダーに関してはまだ…」
新米局員は、泣きそうになりながら答えた。
「まだ分からないだと?ちゃんと捜査してるんだろうな!?」
「も、勿論です」
「姿を見た者がいるはずだろう!何故分からないんだ?みすみす見逃したというのか」
見逃すも何も。
革命軍が国境を越えるとき、現場にいた警備兵は全員処刑したではないか。
死んだ者に、どうやって確かめるというのか。
誰でも彼でも、気に食わない者は全員処刑なんてやり方をいつまでも続けているから、こんなことになるのだ。
同僚の無能ぶりに嫌気が差していた、そのとき。
「リーダーの素性が分からなくても…ある程度推測は出来る」
初老の男性が一言そう言うと、この場にいた全員が黙った。
大将軍、ディルク・フォルカーティンである。