The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルアリス

──────…案の定、ルレイア殿は酷く辛辣な反応だった。

そう言われるだろうとは思っていた。

「これは間違いなく罠だぞ。お前をおびき寄せて殺すつもりだ」

「…分かってます」

「自殺願望でもあるのか?」

さすがのルルシー殿も、この辛辣な意見。

まぁ…無理もないか。

我ながら、馬鹿なことをしようとしている自覚がある。

けれど、俺はそれ以外に考えられないのだ。

「俺が行かなければ、人質が殺されてしまう。彼らを見捨てることは出来ません」

「…」

俺の意見に、ルレイア殿は絶句して目をぐるりと回した。

更に、ごしごしと瞼を擦った。

「あれぇ…?ルルシー、俺の目と耳はおかしくなっちゃったんでしょうか…。今の、ルルシーにも聞こえました?」

「あぁ、聞こえたよ…。どうやら本気らしいぞ」

「馬鹿につける薬はないと言いますけど、あれは名言ですね。どうします?こいつ。顔面を水溜まりにぶちこんでやったら、少しは頭が冷えますかね」

…ルレイア殿の毒舌が、いつも以上に冴え渡っている。

この人が言うと、本当にやられそうで怖い。

「ルアリスさん。ラストチャンスです。もう一回言ってください。今冗談ですよ、って言えばさっきまでの妄言はなかったことにします。もう一回言ってください。今、何て?」

「…」

もう一回言ったら、きっとルレイア殿は…本気で俺を水溜まりにぶん投げるだろう。

いや、それで済んだらまだ優しい方だ。

付き合ってられるか、と撃ち殺されてもおかしくない。

ルレイア殿を怒らせるなんて恐ろしいこと、俺はしたくない。

けれど、俺は自分の意見を曲げるつもりはなかった。
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