The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
これ以上、説得することなど何もない。
俺はルルシーと共に、その場を離れた。
全く、とんでもない保健体育の授業になったもんだな。
言っとくけど、俺、一ミリも悪くないから。
馬鹿な国に生まれた馬鹿は大変だな。
ここ最近で、一生ぶんの「馬鹿」を使ってる気がするよ。
あぁ、嫌だ嫌だ。知能が低い奴を相手にしていたら、俺まで語彙が貧弱になってくる。
これには、ルルシーも深い溜め息を漏らしていた。
「…呆れたもんだな。本当に」
「ただの馬鹿なんですよ。あそこまで馬鹿を貫くなんて、いっそあっぱれですね」
案外と大物なのかもしれない。
馬鹿さ加減で言えば、ルティス帝国代表になれそうだな。
「俺はお前がぶちギレてルアリスを撃ち殺すんじゃないかと、気が気じゃなかったぞ」
と、ルルシー。
俺がぶちギレる?
確かに、最初聞いたときはめちゃくちゃ腹が立ったけど。
あれだけ開き直られると、もう怒る気にもなれない。
「呆れ過ぎて、怒りも沸いてきませんね」
相手が自分と同じ人間だと思えば、もどかしくて腹も立つだろう。
でもあれは、人間ではないのだ。
多分、箱庭帝国で大量に繁殖してる、人の形をした新種の猿なのだ。
猿相手に腹を立ててもしょうがないからな。
「好きにさせとけば良いですよ。あいつが生きようが死のうが、俺はどうでも良いですし」
「ルアリスのこと、割と気に入ってたんじゃなかったのか?」
「はぁ?何で俺が。俺が好きなのはルルシーだけですよ?」
いつ俺が、あんな奴を気に入ってたんだ?
冗談はやめてくれ。
「お前が珍しく結構肩入れするもんだから、気に入ってるんだと思ってたよ」
「…」
…何だ、それ。
俺、そんなに肩入れしてたか?
確かに…やけに、ムキになってたかな。
「本当にどうでも良いなら、説得しようともしないだろ?」
「…そうですね」
そう思ったら…結構肩入れしていた、と言われても仕方ないかも。
何で俺…あんなに必死になったのかなぁ。
…生まれた場所が反対だったら、俺も同じことをしていただろうから、かもしれないな。
「…ふふ」
…なんてな。馬鹿馬鹿しい。
もしも、なんて無意味な話だ。生まれた時代が違う。生まれた世界も違う。
別の世界で俺が何をするか、なんてこちらの俺には関係ない。
この世界の俺は、ここにいる俺だけなのだから。
「とにかく、俺のやるべきことは何も変わりません。『青薔薇解放戦線』を弾除けにして、箱庭帝国に攻め入るだけ。その準備を進めましょう」
「…分かった」
その時点で既に、ルアリスの安否など俺の頭の中から抜けていた。
そんなことより、俺は俺の使命がある。
それ以外のことに、構っている暇はなかった。
俺はルルシーと共に、その場を離れた。
全く、とんでもない保健体育の授業になったもんだな。
言っとくけど、俺、一ミリも悪くないから。
馬鹿な国に生まれた馬鹿は大変だな。
ここ最近で、一生ぶんの「馬鹿」を使ってる気がするよ。
あぁ、嫌だ嫌だ。知能が低い奴を相手にしていたら、俺まで語彙が貧弱になってくる。
これには、ルルシーも深い溜め息を漏らしていた。
「…呆れたもんだな。本当に」
「ただの馬鹿なんですよ。あそこまで馬鹿を貫くなんて、いっそあっぱれですね」
案外と大物なのかもしれない。
馬鹿さ加減で言えば、ルティス帝国代表になれそうだな。
「俺はお前がぶちギレてルアリスを撃ち殺すんじゃないかと、気が気じゃなかったぞ」
と、ルルシー。
俺がぶちギレる?
確かに、最初聞いたときはめちゃくちゃ腹が立ったけど。
あれだけ開き直られると、もう怒る気にもなれない。
「呆れ過ぎて、怒りも沸いてきませんね」
相手が自分と同じ人間だと思えば、もどかしくて腹も立つだろう。
でもあれは、人間ではないのだ。
多分、箱庭帝国で大量に繁殖してる、人の形をした新種の猿なのだ。
猿相手に腹を立ててもしょうがないからな。
「好きにさせとけば良いですよ。あいつが生きようが死のうが、俺はどうでも良いですし」
「ルアリスのこと、割と気に入ってたんじゃなかったのか?」
「はぁ?何で俺が。俺が好きなのはルルシーだけですよ?」
いつ俺が、あんな奴を気に入ってたんだ?
冗談はやめてくれ。
「お前が珍しく結構肩入れするもんだから、気に入ってるんだと思ってたよ」
「…」
…何だ、それ。
俺、そんなに肩入れしてたか?
確かに…やけに、ムキになってたかな。
「本当にどうでも良いなら、説得しようともしないだろ?」
「…そうですね」
そう思ったら…結構肩入れしていた、と言われても仕方ないかも。
何で俺…あんなに必死になったのかなぁ。
…生まれた場所が反対だったら、俺も同じことをしていただろうから、かもしれないな。
「…ふふ」
…なんてな。馬鹿馬鹿しい。
もしも、なんて無意味な話だ。生まれた時代が違う。生まれた世界も違う。
別の世界で俺が何をするか、なんてこちらの俺には関係ない。
この世界の俺は、ここにいる俺だけなのだから。
「とにかく、俺のやるべきことは何も変わりません。『青薔薇解放戦線』を弾除けにして、箱庭帝国に攻め入るだけ。その準備を進めましょう」
「…分かった」
その時点で既に、ルアリスの安否など俺の頭の中から抜けていた。
そんなことより、俺は俺の使命がある。
それ以外のことに、構っている暇はなかった。