The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルアリス

─────…その数日後。

俺は憲兵局に言われたように、一人で箱庭帝国に戻った。

数ヶ月ぶりに踏んだ祖国の土。

けれど俺は、祖国に足を踏み入れるなり、すぐに周囲を取り囲まれた。

その手には、拳銃を持っていた。

とても…平和的交渉の特使を出迎える態度には見えない。

その時点で、俺は自分の運命を悟った。

そして、祖国の愚かさを嘆いた。

やっぱり、駄目なのか。

平和的解決なんて、望んでもいないというのか。

乱暴に手錠をかけられ、俺は囚人護送用の装甲車に乗せられた。

そのまま、帝都まで連れていかれた。

道中での扱いはぞんざいと言うよりは乱暴なものだった。

この扱いを見ただけで、自分がこれから何をされるか、どうされるかは想像がつくというものだ。

不思議と、恐怖は感じなかった。

俺は元々、箱庭帝国の平和の礎となるつもりだった。

その為なら死んでも良いとさえ思っていた。

俺が死んでも、セトナ様がいる。フランベルジュ殿もいるし、ルーシッド殿もいる。

それに何より、憲兵局を倒すという目的を果たすだけなら、ルレイア殿がやってくれるはずだ。

だから、別に…死ぬことは怖くない。

ただ唯一怖いのは、死んだ後、ユーレイリーにぶん殴られることだった。

これについては、穏やかではいられなかった。

他人に殴られるのは何とも思わない。

身体が痛いだけだ。

でも、大事な人に殴られるのは心が痛くなるから、嫌だ。

それだけが気がかりだった。
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