The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
夜が明ける頃に、俺は帝都に到着した。

フランベルジュ殿の邸宅を出る前に、今から帝都に戻る、と連絡を入れてもらったのだが…。

…皆、どんな反応だろうな?

第一声は何にしよう。何て言えば良いかな。

やっぱり…心配かけてごめん、とか?

また会えて良かった、とか?

意外と安っぽい言葉だな…。でも現実なんてそんなものか。

何て考えながら、俺は『青薔薇解放戦線』が拠点にしている帝立ホテルに到着した。

すると。

「…あ」

見覚えのある仲間達が、待っていてくれた。

仲間の顔を見た途端に、また生き延びた実感が沸いてきた。

「皆、わざわざ出迎えてくれたのか。ありが…」

とう、と言う前に。

セトナ様が堰を切ったように走り出し、駆け寄ってきた。

そのまましっかと抱きつかれ、俺は思わずよろけてしまいそうになった。

え、ちょ。そんな。

「せ、セトナ様」

「生きてて良かった…。生きててくれて、本当に良かったです…」

涙ながらにしがみつくセトナ様に、随分心配してくれてたんだな、と思った。

ちょっと、その…抱きつかれるとまでは思ってなかったが。

「心配かけて、済みませんでした…。セトナ様」

「お怪我はないんですね?本当に…あなたなんですよね?」

「怪我はありませんし、本当に俺です。セトナ様…。心配をかけました」

「無事に帰ってきてくれたので、良いです。もう…もう会えないかと思った…」

そう言って、セトナ様はぼろぼろと涙を流した。

…女の子を泣かせてしまうなんて。罪深いにもほどがある。

罪悪感凄いから、泣かないで欲しい。

でも泣かせたのって俺なんだよな…。
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