The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
その本は、父が禁書として処分する為に、まとめていた本の中の一冊であった。

探検のつもりで、父の倉庫にこっそり忍び込んだとき、段ボールに何冊もの本が詰め込まれていた。

反社会的思想が記された危険な本、ということで燃やされるところだったその本を、幼い頃の俺が救い出した。

どうしてあの本に手を伸ばしたのだろう。

今でも理由は分からないが、でも俺は、どうしてもその本を手にとってみたかったのだ。

俺はその本を手にし、入ってきたときと同じくらいこっそりと自分の部屋に持って帰った。

父が「ろくでもない本」と称して唾を吐く本には、一体何が書いてあるのか。

俺は、それが気になった。

自分の部屋に戻って、俺はその本を開いた。

そこには、俺の今までの価値観を根底から揺るがす世界が広がっていた。
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