The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

─────…会議の後。

「…良かったのか?ルレイア」

「んー?何がですか」

心配性のルルシーが、俺にそう聞いてきた。

「お前にしては、やけに聞き分けが良かったじゃないか」

「え~?俺はいつだって素直な良い子ですよ」

誰のこと言ってるんだ?みたいな顔はやめて。

俺、こんなに素直な良い子なのに。

「それに…さっきも言ったように、あいつはいくら言っても言うこと聞きませんよ」

「そうか…。お前と同じタイプだな」

心外である。

さっきから、素直な良い子だって言ってるじゃないか。

大体俺は大人だからな。人の制止も助言も聞かず、自分の思うまま後先考えずに暴走するルアリスと一緒にしないでくれ。

「それに…俺はただ、憲兵局の奴らをぶっ飛ばしてやりたいだけですからねー。殺すなと言われたのは残念ですが、でも半殺しにしちゃいけないとは言われてませんし」

「かろうじて生きてる」レベルまではぶった斬って良い訳だ。

精々暴れさせてもらおうじゃないか。

「全く…お前って奴は」

「ついてきてくれますよね?ルルシー」

ルルシーがついてきてくれないなら、俺はいじけて、もう戦争するのやーめた、って言おう。

しかし、そんな心配は杞憂に終わった。

「行くに決まってるだろ。お前こそ…俺を置いて、一人で暴走するなよ」

「ルルシー…」

なんてイケメン。惚れてしまいそうである。

いや、もう既に惚れてるけど。

今のは愛の告白と解釈して良いのか…?うん、良いことにしよう。

今のは愛の告白だ。

「ルルシー好き!愛してる!」

「引っ付くな。真面目に戦争しろ」

「俺はいつだって真面目ですよぅ」

俺ほど素直で聞き分けの良い子が、他にいるか?

ルアリスに見習って欲しいくらいなのに。

「それより、今回の戦争、『青薔薇連合会』側の作戦指揮は誰がやるんだ?お前か?」

「え?俺はそんな面倒なことはやりませんよ。人に指示なんか出してたら、俺が無双出来ないじゃないですか」

「…」

「だからアイズに頼みました。アイズもその辺弁えてて、『ルレイアとルルシーには部隊を任せないから、二人で好きなように暴れてきて良いよ』って言ってくれました。いやぁ話が分かってますねアイズは。これで思う存分暴れられますよ」

「…お前も後先考えずに暴走してるじゃないか…」

ん?ルルシー、今何か言った?

ともかく俺は、部下の指揮に煩わされることもないので。

思う存分、ルルシーと二人で無双しよう。

「うふふ。楽しみですね、ルルシー」

「…何とかしてルレイアを止めないと。うっかり憲兵局が全滅してしまう…」

あれぇ。ルルシーが何か言ってる。

まぁ、あれだ。聞こえなかったことにしよう。

俺は、素直な良い子だからな。
< 291 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop