The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルヴィア

───────…ルルシーさんから、間もなく憲兵局に対する総攻撃が始まると聞かされた。

…いよいよ、か。

俺も忙しくなるだろう。前線への武器の供給は、俺達『青薔薇連合会』アシスファルト支部が担っているのだから。

家にも…あんまり帰れなくなるかな。

俺はフューニャに、このことを伝えるかどうか迷った。

いざ戦争が始まるとなれば、フューニャも気が気ではいられないだろう。

仲間の身を案じ、心を痛めることになるかと思うと…彼女には何も言いたくなかった。

何も言わずに、全部終わってから教えてやる方が良いのではないかと思った。

しかし。

俺はフューニャに、間もなく戦争が始まることを話した。

彼女は箱庭帝国の出身で、そして元『青薔薇解放戦線』のメンバーだ。

この身はアシスファルト帝国にあっても、心は仲間達と一緒に、祖国で戦っている。

なら、フューニャだけ何も知らずにいるという訳にはいかない。

それに、自分だけ知らされなかったと後で聞いたら…彼女はきっと、俺を許さないだろうと思ったから。

だから話した。

フューニャが取り乱し、狼狽えるかもしれないと思ったが。

そんなに弱い女ではなかった。

「…そうですか」

覚悟は出来ていた、ということなのだろう。

フューニャは、驚きもしなかったし取り乱しもしなかった。

「じゃあ…ルヴィアさんも、忙しくなりますね」

「そうだな。フューニャ…一人で大丈夫か?」

「私は、大丈夫です」

強がりなのかもしれない。

でもフューニャは、確かに頷いた。

「革命は…成功するんでしょうか」

「心配するな…。ルルシーさんがいる。それに何より…ルレイアさんがいるんだ。絶対に負けないよ」

地獄の閻魔だって、ルレイアさん相手なら逃げていくんじゃないか。

あの二人がいる限り、『青薔薇連合会』は無敵だ。

「何も心配要らない。仲間を信じて…俺を信じて、待っててくれ。必ず平和を取り戻すから」

「…はい」

フューニャは、微笑んで頷いた。

何があっても、この子だけは守ろう。

俺はフューニャの手を握って、何度目になるか分からない誓いを立てた。
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