The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
会議の後。

「…同志レヴミール」

「…!?」

呼び止められて振り向くと、そこにいたのは件の大将軍であった。

ディルク・フォルカーティン。

一体、何故私を名指しで?

「少し話がしたい」

「…何でしょうか。同志大将軍が、自分などに…」

「…時に同志よ。『青薔薇解放戦線』との打ち合わせはもう済んだのか?」

「…」

私は、必死になって同様を抑え込んだ。

ここで狼狽を顔に出しては、私は以前と何も変わらない。

「…何のお話でしょうか」

「惚けずとも良い。同志が憲兵局を憎んでいることは知っている。革命軍とも通じているのだろう?」

「お戯れを…」

「別にそのことを責めはしない。むしろ…同志レヴミールよ、どうか…この国の未来を頼む」

…この人は、一体…何を。

「同志大将軍…?」

「憲兵局は、悪事を働き過ぎた。遅かれ早かれ、いつの時代か、こんな日が来るだろうと思っていた…。それが他の誰でもない、自分の時代で良かった。これで…未来は救われる」

唖然としている私に、大将軍ディルク・フォルカーティンは重ねて問いかけた。

「『青薔薇解放戦線』のリーダーは、どんな男だった?この国の未来を任せるに値する人物だろうか」

答えるべきか、私は迷った。

でも、もう私の正体がばれているのなら…今更、隠す必要もなかった。

「…信用に足る人物です。何処までも真っ直ぐで…正義を貫く男だと思います」

「そうか…。それは良かった」

…何が、良かったと?

自分が殺されるってことを、この人は理解しているのか?
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