The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
俺が思っているよりずっと、戦場というものは血生臭い場所だった。
伝記に書いてあったような、華々しいものではない。
もっと血生臭くて、恐ろしい場所だった。
それでも俺は、目を逸らさなかった。
決して、俺は目を逸らしてはいけない。
これが、俺が貫いた正義の在り方なのだ。
目に焼き付けるようにして、俺は進んだ。
帝都を目指して。
憲兵局の本部を目指して。
先頭をただひたすらに突っ走るルレイア殿に、遅れないように。
そして。
「はぁ…。成金趣味な大豪邸じゃないですか」
体力も限界に近づき。
ルレイア殿が吹っ飛ばした半屍を横目に、ひたすら走り続け。
気が遠くなり始めた頃に、ようやく辿り着いた。
憲兵局本部。
俺達箱庭帝国民にとって…支配の象徴である荘厳な建物だ。
成金趣味…か。
今となっては、それ以外に言葉が出てこないな。
「さて…と。俺はここに来るまでに随分とお楽しみさせてもらいましたし…」
ルレイア殿は、くるりと振り向いた。
返り血にまみれたルレイア殿の姿は、死神そのものにしか見えなかった。
…恐ろしいとしか言いようがない。
「まさか俺についてこられるとは思ってませんでしたよ。なかなかやるじゃないですか…ルアリス」
「は…はい」
もう二度と、あなたについていくのは勘弁したいものだ。
名前…覚えててくれて、良かった。
「あなたの心意気に敬意を表して、メインディッシュはあなた方に譲ってあげますよ。どうやら…俺に用がある人がいるみたいですしね」
「え…?」
用がある人?
「さぁ、行きなさい。『青薔薇解放戦線』。あなた方の恋い焦がれた自由と平和が、その先に待ってますよ」
「…はい」
ここまで、大半の敵兵をルレイア殿とルルシー殿が無双して、倒してくれたのだから。
あとは、俺達の役目だ。
俺は、後ろについてきてくれていた仲間達を振り返った。
「皆…行こう。覚悟は良い?」
「無論じゃ」
「勿論よ」
「今更聞くんじゃない」
「そうそう。面倒臭いから、いちいち確認しなくて良いよ」
「何処までもお供致します、坊っちゃん」
ミルミル、ラシュナ、ヴァルタ、ヴィニアス、ユーレイリーが順に言った。
本当に…頼もしい仲眞達だ。
そして。
「聞くまでもありませんよ。皆、私も…あなたを信じて…ここまで来たのですから」
「…はい、セトナ様」
行こう。皆で。
犠牲になった、全ての命に報いる為に。
俺は…この革命を完遂させる。
見守っててくれ…トミトゥ。
不思議と、怖くはなかった。
夢にまで見た瞬間が、すぐそこまで迫っているのだ。
どうして、怖いと思うだろう。
俺は太刀を握り締め、真っ直ぐに前を向いた。
そして、正面から堂々と…憲兵局本部に足を踏み入れた。
ここから先は…俺達『青薔薇解放戦線』の仕事だ。
伝記に書いてあったような、華々しいものではない。
もっと血生臭くて、恐ろしい場所だった。
それでも俺は、目を逸らさなかった。
決して、俺は目を逸らしてはいけない。
これが、俺が貫いた正義の在り方なのだ。
目に焼き付けるようにして、俺は進んだ。
帝都を目指して。
憲兵局の本部を目指して。
先頭をただひたすらに突っ走るルレイア殿に、遅れないように。
そして。
「はぁ…。成金趣味な大豪邸じゃないですか」
体力も限界に近づき。
ルレイア殿が吹っ飛ばした半屍を横目に、ひたすら走り続け。
気が遠くなり始めた頃に、ようやく辿り着いた。
憲兵局本部。
俺達箱庭帝国民にとって…支配の象徴である荘厳な建物だ。
成金趣味…か。
今となっては、それ以外に言葉が出てこないな。
「さて…と。俺はここに来るまでに随分とお楽しみさせてもらいましたし…」
ルレイア殿は、くるりと振り向いた。
返り血にまみれたルレイア殿の姿は、死神そのものにしか見えなかった。
…恐ろしいとしか言いようがない。
「まさか俺についてこられるとは思ってませんでしたよ。なかなかやるじゃないですか…ルアリス」
「は…はい」
もう二度と、あなたについていくのは勘弁したいものだ。
名前…覚えててくれて、良かった。
「あなたの心意気に敬意を表して、メインディッシュはあなた方に譲ってあげますよ。どうやら…俺に用がある人がいるみたいですしね」
「え…?」
用がある人?
「さぁ、行きなさい。『青薔薇解放戦線』。あなた方の恋い焦がれた自由と平和が、その先に待ってますよ」
「…はい」
ここまで、大半の敵兵をルレイア殿とルルシー殿が無双して、倒してくれたのだから。
あとは、俺達の役目だ。
俺は、後ろについてきてくれていた仲間達を振り返った。
「皆…行こう。覚悟は良い?」
「無論じゃ」
「勿論よ」
「今更聞くんじゃない」
「そうそう。面倒臭いから、いちいち確認しなくて良いよ」
「何処までもお供致します、坊っちゃん」
ミルミル、ラシュナ、ヴァルタ、ヴィニアス、ユーレイリーが順に言った。
本当に…頼もしい仲眞達だ。
そして。
「聞くまでもありませんよ。皆、私も…あなたを信じて…ここまで来たのですから」
「…はい、セトナ様」
行こう。皆で。
犠牲になった、全ての命に報いる為に。
俺は…この革命を完遂させる。
見守っててくれ…トミトゥ。
不思議と、怖くはなかった。
夢にまで見た瞬間が、すぐそこまで迫っているのだ。
どうして、怖いと思うだろう。
俺は太刀を握り締め、真っ直ぐに前を向いた。
そして、正面から堂々と…憲兵局本部に足を踏み入れた。
ここから先は…俺達『青薔薇解放戦線』の仕事だ。