The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「ようやく学習しましたか。俺には敵わないってことが」

もう少し早く学習していたら、お仲間も死なずに済んだんじゃないか?

高い勉強料だったな。

「それで?ちょっと賢くなった子猫ちゃんが、わざわざ俺に何の用です?復讐する気がないなら…何で呼び止めたんですか」

用事があるから、こんなところで俺を熱烈に出待ちしてくれてたんだろう?

「…お前の意思を確かめに」

「俺の…意思?」

何それ?なんか格好良いな。

「お前は、革命軍と組んで何をするつもりだ?ルアリスを…裏切るつもりじゃないのか」

「はぁ…?」

裏切る?俺が?ルアリスを…?

…子猫ちゃん。自分が呆気なく裏切られたからって、疑心暗鬼になり過ぎでは?

「疑い過ぎですよ。俺はルアリスから要請を受けて、箱庭帝国の平和の為に心から善意で…」

「ふざけるな。信じると思ってるのか」

「だったら何を言えば信じるんです。実はこの後裏切りますって言えば信じるんですか?…あなたにしたように」

大体、本当に裏切るつもりならカセイには言わないだろ。

これから裏切ります!って宣言する裏切り者がいるかよ。

「…」

カセイは、物凄い目で俺を睨み付けていた。

女の子にこんなに情熱的に見つめられるなんて、嬉しいなぁ。

「あなた方は裏切った方がメリットがあった…。だから裏切りました。でも…ルアリスは裏切らない方がメリットがある」

「…革命軍に味方して…得られるメリットとは何だ」

「俺の気が済む」

元々俺が革命軍に協力しているのは、そういう理由だ。

「気が済む…だと?」

カセイにとってみれば、ふざけた理由なのだろうな。

俺にとっては大真面目な理由なのだが。

「俺はただ、ルルシーを暗殺しようとした憲兵局に復讐したいだけです。それ以外に理由はありません」

「…」

「そんなに睨まなくても、ルアリスを裏切ったりはしませんよ。元々奴らの味方をした覚えもありません。憲兵局をぶっ倒すという目的が一致したから、協力してるだけです」

革命軍なんて、元々アテにしちゃいない。

奴らがいなくても、俺は復讐を果たしていただろう。

所詮革命軍なんて、俺の復讐の添え物でしかないのだ。

ってところを、カセイに理解してもらいたいところだが…。

俺=裏切りのプロ。みたいに思ってるんだろうなぁ。

失礼にもほどがある。

俺ほど純粋な大人もそんなにいないと思ってるんだけど?
< 312 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop