The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルアリス

─────…ルレイア殿とカセイ殿が、因縁の再会を果たしていたその頃。

俺と革命軍の仲間達は、憲兵局本部を走っていた。

さすがに本部の中は敵がうじゃうじゃといるだろう…と思っていたのだが。

意外に抵抗は少なく、人質の姿もなかった。

一体…どうなってるんだ?

敵は何処に…憲兵局の大将軍は?

「一体…何処に行けば」

「ルアリスさん…。とにかく、大将軍の執務室に行きましょう。お父様は…そこにいるはずです」

「…分かりました」

やはり、そこを目指す他にないようだな。

いきなりラスボスとご対面か。

セトナ様に言われ、俺達は大将軍ディルク・フォルカーティンのもとを目指した。

もしかしたら、彼はもうとっくに脱出しているかもしれない、と思った。

あるいは…地下の防空壕に立てこもっているか…。

いずれにせよ、逃げたいのなら逃げれば良い。

国民を放り出して逃げる大将軍なら、要らない。

そう思っていたが。

「…革命軍。よく、ここまで辿り着いたな」

執務室の重厚な扉を勢いよく開けた先に、彼はいた。

今まで…何度か、見たことがある。

父に連れられて、憲兵局本部に来たときに。

セトナ様の父親。この国の大将軍。ディルク・フォルカーティン。
< 314 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop