The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルアリス

──────…ルレイア殿が助けてくれなかったら、俺は死んでいたところだった。

だから俺は詰めが甘いって言われるんだな。

最後の最後まで…恐ろしい人だった。

颯爽と去っていくルレイア殿の背中を見つめながら、俺はそう思った。

…この後、もし下手をしたら…俺、本当に殺されるなぁ。

憲兵局も暗殺者も怖くはないが…ルレイア殿だけは…怯えずにはいられない。

あの人は、本当に…黒い、死神だった。

敵に回さなくて…良かった。

心臓に風穴を開けられた暗殺者を、俺は怯えながら見下ろした。

「…ディルク殿。この暗殺者は…」

「済まない…。全員撤退させたはずだったのだが…」

…やはり、ディルク殿も預かり知らぬ暗殺者だったか。

ルレイア殿が助けてくれなかったら、本当に死んでたな。

でも、俺は生き残った。

生き残ったからには…。

「…行こう、皆」

俺は、ここまで一緒に来てくれた仲間達を見た。

…とうとう、やり遂げたのだ。

でも、まだ終わってはいない。

これからが…本当の始まりなのだ。

この国に訪れた夜明けを…明るいものにする為に。
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