The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「ルルシーっ!プレゼントが来ましたよ~っ!!」

このところ、革命のあれこれが忙しかったことと。

頼れる右腕であるルヴィアが、しばらくアシスファルトに行っていたせいで、通常業務がおろそかになっていた。

その為、俺はいつにも増して、仕事に集中したかった。

…の、だが。

当然、そんなことを易々と許してくれる相棒ではない。

案の定、昼過ぎ頃にいつも通り、ルレイアが突撃してきた。

うん。知ってた。

そろそろ来る頃だなぁと思ってたら案の定。

しかも、当然のようにお友達までぞろぞろ連れてきた。

「いやぁ、今年もこの時期が来たね」

「今年は何にしよっかな~。ルレ公のセミヌードブロマイドとか?」

「それなら私が欲しい…」

「ルルシーにはブロマイドあげなくても、望めばいつでも生フルヌードのルレイアを見られるからね」

「えっ、俺のフルヌードが欲しいんですか?それだったら言ってくれれば良いのに…。いつでも見せてあげますよ?何なら他の人にはしない、特別な『サービス』をたっぷりと…」

「やめろ」

背中がぞわっ、とした。

誰のフルヌードが欲しいって?

ルレイアのフルヌードなら、他にも欲しがる人はいくらでもいるのだろうから、そういう人にあげてくれ。

俺は要らない。

「はぁ…」

俺は溜め息をついて、書類を放り出した。

こいつらがいたら、もう仕事にならない。

「ルレ公のブロマイドが駄目なら、何にする?」

「何が良いかな…。お酒とか?」

「いっそ三人で、ルレイアとルルシーの二人で二週間くらい豪華客船の旅をプレゼントしない?」

「二週間もあれば、ルレ公の手にかかればルル公の調教は完全に終わるな!」

「俺が本気を出せば、20分で調教は終わりますよ」

「でもその旅行、どちらかというとルレイアへのプレゼントにならない…?」

…こいつらさっきから、何の話してんの?

俺に不利な話をしていることはよく分かる。

ルレイアと二人で豪華クルーズの旅だと?

嫌だよ。何だその拷問。

20分で調教出来る、ってどや顔してる奴と誰が望んで一緒に旅行するんだ?

「そんな訳ですから、今年のルルシーの誕生日は、俺をプレゼントします!当日はちゃんと、身体にリボンを巻いてルルシーにプレゼントされますからね。お楽しみに」

何プレイ?それ。

俺にそんな性癖はないんだが?

…ん?誕生日?

俺はデスクの上に置いてある、卓上カレンダーを見た。

…あぁ、そういや俺…もうすぐ誕生日なんだっけ。

毎年忘れてるな、俺。

俺は忘れてるのに、ルレイア達は毎年覚えている。

そして毎年のように、ルレイアは俺へのプレゼントを自分にする、とか言い出すのだ。

去年も言われた。プレゼントは俺です!って。

もう既にもらってるようなもんだし、要らないよ。

「ルルシ~。俺を受け取ってください」

「あー、もう…。はいはい…」

要らねぇ、なんて言えば騒ぎ出すのは毎年の経験で分かっているので、適当に頷いておく。

ったく…。お前は箱庭帝国の社会情勢を気にするとか、そういうつもりは全くないんだな。

呆れたもんだが…ルレイアらしいと言えばルレイアらしい。
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