The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
アイズは良いとして、それ以外のプレゼント、これどうするんだよ。

扱いに困る…特にルレイア(本体)…。

誕生日プレゼントって、クーリングオフとか出来ないのかな…と考えていると。

「ルルシー、ルルシー。お誕生日おめでとう」

「あ…アシュトーリアさん」

アシュトーリアさんまでもが、ここに合流した。

人数がぞろぞろ増えていく。

「ルルシーにね、プレゼント持ってきたのよ」

「はい…ありがとうございます」

アシュトーリアさんまで。毎年覚えてるもんだなぁ。

有り難いことではあるが、このそこはかとない不安はなんだろう。

「まずこれね、ベルガモット王家御用達の洋菓子店で買った、洋菓子の詰め合わせ」

凄い。まともなプレゼントだ。

「ありがとうございます、アシュトーリアさん」

「美味そう!ルル公、アリューシャにも食わして!欲しい!」

図々しいぞアリューシャ。

まぁ良い。アリューシャは放っておけ。

菓子が欲しければ食べれば良い。

「それとこれ…。前にルレイアにね、ルルシーは何を欲しがってるかしら?って尋ねたら、ルルシーはこれを欲しがってる、って聞いたものだから」

「…」

何だこれは。

何なんだ。

「ふひっ」

早速もらったばかりのお菓子の詰め合わせを(勝手に)ばりばり食べていたアリューシャは、それを一目見て、変な声を出した。

…そりゃ変な声を出したくもなる。

「…おい、ルレイア」

「♪♪♪~」

鼻歌歌って逃げるな。

アシュトーリアさんがくれたのは、精力増強ドリンク、十本セット。

「…ルレイア。お前…何考えてるんだ」

誰が、こんなものを欲しがったって?

アシュトーリアさんに適当なこと言いやがって。

「だって、ほら。ルルシー。俺はこういうの全く必要ありませんけど、俺の相手をするならルルシーは飲んだ方が良いかなぁって。三本くらい飲まないと俺の相手は出来ないって評判ですし」

何ちょっと照れながら言ってんだ。

ふざけやがって。アシュトーリアさんもルレイアの戯言、相手にするなよ。

心から要らない。転売したい。

でも。

「まさか受け取らない訳にはいかないよねぇ。上司からのプレゼントだもんね」

アイズは人の悪い笑みを浮かべて、アリューシャと共にクッキーを齧っていた。

お前まで食うなよ。

悲しいかな、アイズの言う通りなのだけど。

「…ありがとうございます、アシュトーリアさん」

嫌でも、感謝して受け取るしかない。

ルレイアお前、後でぶん殴るからな。

と、思っていたら。

「実はですね、ルルシー。俺から他にもプレゼントがあるんですよ」

「は…?」

ルレイアが、きらきらした目でそう言った。

…他にもプレゼント?何だ?

「はい、ルルシー。受け取ってくれますよね」

「…」

ルレイアが差し出したのは、名刺サイズの小さな紙片だった。

しかし、この紙切れに書かれていたのは…実に恐ろしい言葉だった。
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