The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
がばっ、と顔を上げると、ルレイアはぱっちりと目を開いて、そしてにやにやと人の悪い笑みを浮かべていた。

更に。

「はい、録音しました。主様」

「おめでとうございます」

部屋から出ていったはずのハーレム会員達が、何故か俺の背後にいて、エリュシアはボイスレコーダーを手に持っていた。

…何だ、それは。

「…ルレイア、か?」

「えぇ、あなたのルレイアです」

ベッドに横たわったまま、ルレイアはにこっ、と微笑んだ。

…起きてる。

ルレイアが起きて、目を開いて、俺と話してる。

「本当は昨日の夜には起きてたんですよ。でもほら、これは白雪姫チャンスかなと思って。ルルシーに合法的にちゅーしてもらえると思ったので、寝た振りをかましてたんですが…。見事に刺さりましたね、うふふ。言質取ったので、これでルルシーに…」

「ルレイア…お前…」

昨日の夜には、起きてた。

めちゃくちゃ普通に喋ってる。いつもみたいに。

「あっ、心配かけて悪いことしたとは思ってますよ?でも…ルルシー、最近ちょっとつれないなぁと思って、つい。謝るのでそんなに怒らないでくださ、」

俺は思わず、横たわったままのルレイアに抱きついた。

これにはさすがのルレイアもきょとんだった。

「良かった…。俺は、お前が…目を覚まさないんじゃないかって…ずっと心配して…」

「…もう、ルルシーったら、本当に心配性」

ルレイアは俺の背中に手を回して、ぽんぽんと軽く叩いた。

「俺はあなたを置いて何処にも行きませんよ。ちゃんとあなたの隣に帰ってきます」

「…心配かけるな。馬鹿ルレイア…。よく戻ってきた」

「はい。ごめんなさい、ルルシー」

ルレイアが無事で…ちゃんと戻ってきてくれて。

本当に良かった。
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