The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「どうしたんですか?皆さん」

「お見舞いに来たんだよ。退屈してるだろうと思ったから」

あぁ、なんてことだ。

仲間って、家族って素晴らしい。

「アシュトーリアさんも来たがってたんだけどね。どうしても外せない用事があって…。今回はお預けだって」

「そうなんですか」

ちょっと寂しいが、でも皆が来てくれたから満足。

何より、ルルシーが会いに来てくれた。

こんなに嬉しいことがあるか?

「ルレイア、傷はまだ痛い?」

シュノさんが、心配そうな顔をして尋ねた。

その顔を見るだけで、俺が怪我してからずっと心配してくれてたんだなって分かる。

有り難や。

「傷みますけど、でも大丈夫ですよ。痛み止め飲んでますし」

「そう…。重傷ではないとはいえ、無理しないでね」

そう言って、シュノさんは腕の中のルーさんを、ベッドの上にちょん、と乗せた。

「ルーちゃんも心配してたのよ。撫でてあげて」

「ふふ、こんにちは。ルーさん。お久し振りですね」

手のひらで撫でてやると、ハリネズミのルーさんは、ちらっ、とこちらを見た。

お前、無事だったか。そう言いたいんだな。伝わってくる。

「いやぁ、しかしルレ公はしぶといねぇ。殺しても殺しても死なないんだろうなぁ。迎えに来た死神の方が逆に刈られそう」

アリューシャが、ベッドサイドに腰掛けてそう言った。

それを、ルルシーが顔をしかめてたしなめた。

「こらアリューシャ。不謹慎だぞ」

「別に良いですよ。事実ですし」

死神が迎えに来たって、逆にあの世送りにしてやるだけだ。

とにかく俺、ルルシーが生きてる限り死ぬつもりはないから。

「それより皆さん、ルニキスはまだ生かしてますか?拷問して殺したりしないでくださいね」

「監禁室には入れてるけど、丁重に扱ってるよ。見張りには暴力も禁止してる」

と、アイズ。

うんうん、それで宜しい。素晴らしい。

「にしても、本当に顔が好みで生かしたとはなぁ。アリューシャ凄くね?ルレ公のこと熟知してね?」

「はいはい…。凄い凄い」

などと、ルルシーは適当にあしらっていたが。

「顔が好みなのは良いけど、本当に生かして良かったの?多分彼、色々トラブル持ってると思うよ?」

「…私もあの人、信用出来ないわ。事情はどうあれ、ルレイアを傷つけた人だもの。許せない」

アイズとシュノさんは、俺にそう言ってきた。

まぁ…二人の言うことも分からないではない。特にアイズの方は。

俺も最初にルニキスを見たとき、これは厄介そうだ、って思ったし。

とはいえ。

関わらないでいられる相手ではない、とも思ったから。

「心配要りませんよ。ルニキスのことは、俺に任せてください」

「…君がそう言うなら、協力するけど」

「気を付けてね、ルレイア…。私に出来ることがあったら、何でも言って」

「ありがとうございます」

頼もしい仲間達で何より。

俺の予想が正しければ…ルルシーやアイズ達にも、協力してもらわなければならないことがあるだろうから。
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