The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルルシー

───────…はっきり言って。

俺は、色々なことが不満だった。

ルリシヤ・クロータスが『青薔薇連合会』に入ったこと。

それも、俺やルレイアと同じ、幹部になったこと。

ルレイアが妙にルリシヤなる男を信用しきっていることも気がかりだし、そもそもルリシヤが何考えてるか分からないことも気になる。

おまけにそのルリシヤの歓迎会だとか言って、またうちを食堂扱いされてるのも気に食わない。

…まぁ、ルレイアの快気祝いだと思えば…我慢も出来るけどさ。

俺はダイニングキッチンに立って、ルリシヤをちらり、と盗み見た。

…あいつ、一体何を考えてるんだ。

ルレイアが何と言おうとも、俺はあの男を信用出来なかった。

事実は一つだ。

あいつは、ルレイアを傷つけた。それだけだ。

そして俺はそれだけで、あいつのことを味方だとは思えない。

ルレイアもアシュトーリアさんも…ルリシヤを信じ過ぎだ。

ルレイアの言う通り、確かに俺は、ルレイアを傷つけたからというだけでルリシヤを信じてない。バイアスがかかった目でルリシヤを見ている自覚はある。

けどそれは、ルレイアも同じじゃないか?

ルレイアは明らかに、ルリシヤに自分の境遇を重ねている。

だから、易々とルリシヤを信用してしまっているのだ。

…あんな奴、疑うに決まってるだろ。

ルレイアが暗殺者に撃たれたと聞いた、あの忌々しい夜のことを思えば…ルリシヤの食事に毒でも混ぜてやろうかという気にもなる。

一応ルリシヤは仲間ということになってるから…さすがにやらないけど。

でも、やりたい気持ちはあるんだからな。

すると。

「ちーっす!ただいまー!」

騒がしい音を立てて、玄関が開いた。

「あっ。アリューシャ。皆さん、来たんですね」

「来たぜ!アリューシャ参上!」

「これ、退院祝い。昼間渡せなかったから」

「わぁい、ありがとうございます」

「ルレイア、私からも」

「ありがとうございます、シュノさん」

あぁ…来たのか。あの三人。

…ん?アリューシャ今、ただいまって言わなかった?

いつの間にあいつ、うちを自分の家だと思ってるの?

無意識?無意識なのか?
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