The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…しかも、それだけではない。

ルレイアは、ルアリスにも聞いたあの質問を、ルリシヤにもした。

「ルリシヤって、童貞なんですか?」

お前。失礼だろうが。

しかしルリシヤは、ルアリスのように照れることなく真顔で答えた。

「あぁ」

自分が童貞であることを、ここまで清々しく堂々と認めるとは。

…そんな堂々と言うことじゃねぇだろ。

「へぇ~。あなた割と手が早いタイプだと思ったんですけどねぇ」

「そう見えるか?」

「見えますね」

…ルレイアお前…。失礼にも程があるのでは?

しかしルリシヤ、そんなことでは気を悪くしたりしない。

「童貞なんか守ったって仕方ないですよ。さっさと卒業しちゃいましょうよ。何なら今夜にでも、うちの店に来ます?『サービス』してやるように言っておきますよ」

「そうか、ありがとう。でも今は遠慮しておく」

「えー。皆頭堅いですねぇ」

何で不満げなんだ。

お前の頭が柔ら過ぎるのでは?と思ったが、言わないでおく。

「ルレイア…。あのな、もう少し為になることを教えてやれ。幹部としての心構えとか…」

「心構え~?そうですね…。じゃ、メイクの仕方でも教えましょうか?」

え?何でそうなるんだ?

ルリシヤもいい加減何か突っ込めば良いものを。

あろうことかルリシヤは、

「それよりも、その爪の方が気になる。ネイルアートか?」

「あっ、ネイル気になります?これ、自分でやったんですよ~。綺麗でしょ?」

「へぇ…。これ、自分で出来るのか…」

…ルレイアのネイルに、興味津々のルリシヤ。

それに気を良くしたルレイアは、

「良ければやってみます?やり方教えてあげますよ」

「良いのか?じゃあやってみたい」

やってみたいのかよ。

「良いですね!じゃ、準備しますね~」

「お、おいルレイア…。仕事の話は…」

何でいつの間にか、ネイル教室になってんの?

仕事しろよ。お前ら。

しかし、ルレイアもルリシヤもそんなことは一切気にせず。

「ルルシーも一緒にやりましょうね」

「え?あ、うん…。…え?」

ルレイア今、何て?

俺もやるって?何を?その爪?

「ベースは黒が良いですよ~!黒ベースに、黒いラインストーンを乗せて…」

「少し爪が短いんだけど、大丈夫か?」

「そのくらいあれば大丈夫ですよ。それじゃ、まずは爪の形を整えましょうね~」

「…」

…何なんだ、一体。

良いのか。こんな呑気な調子で。
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