The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

案の定、ルリシヤは自分のことを詮索されていると思ったらしく。

「…そんなに、俺が疑わしいか」

少し残念そうに、ルリシヤがそう言った。

「ごめん。疑ってるように聞こえたのなら謝るよ」

「…」

駄目だな。ちょっと露骨過ぎた。

すっかり気を悪くしてしまってる。

「そんな顔しないで。ルルシーと違って、私は君のことそんなに疑ってないんだ。本当に」

これは紛れもなく、事実である。

大体、私が疑ってたらこんなに穏やかじゃないよ。

身ぐるみ剥がさんばかりに、徹底的に調べ上げて素性を洗う。

それをしようと思っていないのだから、私は彼のことを疑っちゃいない。

少なくとも、ルルシーほどには。

「…まぁ、疑われても仕方ない立場だとは思う」

「…君が私達の信頼を早く得ようと頑張ってることは分かってるよ」

「まだまだ先は長そうだな」

…特に、ルルシーとシュノはね。

あの二人は仕方ない。ルレイア大好きなんだもの。

…ルリシヤが、何か隠していることは知ってるけど。

「見たところ君は本当に優秀だし、仲間として全く不足もない。仲良くしていきたいと思ってるんだよ。私は」

これまた、紛れもなく本心。

『青薔薇連合会』の未来の為にも、ルリシヤは必要な人材だ。

疑いまくって気を悪くさせるよりは、早いところ仲良くなりたい。

ルレイアと同じで、敵に回すとこの上なく厄介な人間だし。

「そんな訳だから、私に教えられることは何でも教えるよ。私の仕事はデスクワークが多いから、つまらないかもしれないけど」

「いや…大丈夫だ」

ルルシーにも約束したし。ルリシヤに仕事を教えるって。

監視して欲しいとも言われたけど…それは仕事を教える延長で良いだろう。

何度も言うけど、私はルリシヤをそんなに疑っていないし。

騙されてるかもと疑うよりは、まぁ大丈夫だろうと信じていた方が、楽で良い。

そんなの、当たり前のことだろう？