The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideアリューシャ

──────…一方。

ルル公が、ルリ公を監視してくれ~と頼んできたので。

一応、期待に応えるつもりではいるが。

監視とか、アリューシャはそんな難しいことはよく分からない。

そもそもアリューシャは、あのルリ公を疑うつもりはないのだ。

だって疑うの面倒だし。疲れるじゃん?

だからアリューシャは疑いません。そういう面倒なことはアリューシャの仕事じゃありません。

ともあれ、ルリ公に仕事を教える名目でルリ公が何を企んでるか監視しろ、ってルル公に頼まれたので。

やることはやろう。

「ルリ公は狙撃とかやったことあんの?」

「ないな。触ったことはあるけど…得意じゃない」

ほー。そうなのか。

まぁ触ったことあるなら良いんじゃないか?

「でもアリューシャが教えられるのってぶっちゃけそれだけだから、悪いね」

「いや、別に構わない。いつかちゃんとやってみたいと思ってたし」

そうかい。

じゃ、まぁ教えてやるとするか。

…とは、思ったものの。

ルル公にも言ったけど、アリューシャ割とフィーリングでやってるから、教えろって言われてもよく分かんねぇんだよな。

シュスリー、どんな風に教えてくれてたっけ?

数撃って慣れろ、ってスタンスだったような気がする。

よし。じゃ、アリューシャもそのスタンスで行くか。

「ほい、これ練習用の狙撃銃。とりあえず撃て。撃ちまくってたらいつか上手くなる」

以上。アリューシャの狙撃教室終わり。

なんて分かりやすい。

ルル公だったら、何じゃそりゃ、とがっくりするところだが。

「成程、シンプルで分かりやすい」

おぉ、このルリ公、理解が早いぞ。

ルレ公みたいだな。

「ただし俺は下手だから、上手くなるまでに何千発と撃たないといけないな」

「何千発なら上等だろ。アリューシャなんか上手くなるまでに、何億発撃ったか分からんぞ」

ん?それはさすがに盛り過ぎか?

いや、でも体感的にはそれくらい撃ってる。

何千発撃とうが、何億発撃とうが、どうでも良いのだ。

何発外したって構わないって、言われたし。

「いくらでも撃って、いつか上手くなりゃ良いのさ。アリューシャはそうした」

「分かった」

ルリシヤは射撃訓練用のライフルのスコープを覗き込んだ。

おぉ。姿勢は出来てるじゃないか。

少なくとも、最初にアリューシャがライフルやったときよりは上手いぞ。

これはあれだな。将来有望…って奴なのでは?
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