The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
アリューシャの思った通り。

狙撃訓練の様子を見たところ、ルリ公はなかなか素質のあるスナイパーであった。

このまま頑張って訓練すれば、まぁ、アリューシャの足首くらいには及ぶかもしれない。

随分偉そうだな、と思ったか?

だってそう言っとかないと、アリューシャの居場所がなくなるじゃん。

近接戦闘も出来て長距離戦闘も出来て、おまけに頭が良いなんて。

そんなの完全にアリューシャの上位互換だし。やだよ。

「…ところで、アリューシャ先輩」

「んにゃ?」

スコープを覗き込んだ状態で、ルリ公が話しかけてきた。

「アリューシャ先輩も、俺を疑ってるのか?」

「何で?」

「…何でって…」

ふぁ~、とあくびが出た。ねみぃ。

いつもならアイ公んとこでお昼寝してる時間だもんなぁ。

「アリューシャ馬鹿だから、そんな難しいこと考えないよ。ルリ公がアリューシャのこと騙してるんだったら、それはそれで構わないし」

「…構わないのか?」

「大体おめぇ、マフィアなんて騙し騙されは当たり前の世界だろ。騙される方が悪いんだよ。だからアリューシャは気にしない。裏切りたいなら好きにすれば良いよ」

「…」

アリューシャは思ったことを素直に言っただけなのに。

ルリ公は、マジか。みたいな顔をしていた。

そんなに意外かね?自分だって裏社会にどっぷり漬かってきたんだろうに。

「ルル公とかシュー公はえらく神経質になってるけどねー。難しいこと考え過ぎなんだよ奴らは。アリューシャみたいに単純になるべきだね」

「…それが出来たら、人間苦労しないと思う」

「おっ、言うねぇ」

ま、その通りなんだけどね。
< 424 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop