The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideシュノ

──────…アイズとアリューシャが、それぞれあのルリシヤという新入り幹部の面倒を見ていた、丁度その頃。

ルレイアにもルルシーにも、アイズにもアリューシャにも内緒で。

私、シュノ・ルヴァーシュもまた、ルリシヤを監視していた。






ルレイアもアシュトーリアさんも、ルリシヤのことを随分と信用しきっているけど。

私は誤魔化されなかった。あのルリシヤなる男、仮面の下にどんな顔を持っているか分かったものじゃない。

きっと何か、良からぬことを企んでいるに違いない。

ルルシーが疑うのも無理はない。私だってルリシヤを疑っている。

ルレイアとアシュトーリアさんは騙せても、私は騙せない。

ルレイアは今、仮面にハマってルリシヤの本質が見えていないだけなのだ。

私が化けの皮を剥がしてやる。

その決意のもとに、私はこっそりとルリシヤの後をつけることにした。

仕事終わりに、奴がどこで何をするか、数日間に渡って見張ってやろうと思ったのだ。

一日目はと言うと、何も起きなかった。

仕事が終わって『青薔薇連合会』の本部ビルを出たルリシヤは、社宅として使っている、『連合会』所有のマンションの一室に真っ直ぐ帰っていった。

で、そのまま朝まで出てこなかった。

私はマンションの前に陣取って、一晩中そこから動かなかった。

目を離した隙に、ルリシヤが何処かに向かうかもしれない。

そう思うと、その場を離れることは出来なかった。

夜風が冷たかった。

二日目も、三日目もそんな風に過ごした。

連日路上で夜明かしは辛かったけど、これもルレイアと、『青薔薇連合会』の為。

今頑張らなくて、いつ頑張る。

自分にそう言い聞かせ、張り込みを続けて四日目の晩のことであった。
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