The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「…へくちゅっ」
その夜は、昨日までより更に気温が低かった。
私はぶるっ、と身を震わせて、溜め息をついた。
…寒いなぁ。
でも、ここでへこたれる訳にはいかない。
私は何としてもあのルリシヤの企みを暴き、ルレイアを救ってあげるのだから。
そう心に決め、きっ、と前を向いたものの。
「…へくちゅっ」
やっぱり寒かった。
厚手のコート持ってくれば良かったな…と思っていた、そのとき。
「…あの、これ。良かったら」
「ん?」
とんとん、と肩を叩かれて振り向くと。
ルリシヤが、熱い紅茶のペットボトルを片手に、申し訳なさそうな顔で立っていた。
「あ…ありがとう」
寒かったから、助かる。
差し出されたペットボトルを受け取り、キャップを開けて一口煽る。
うん、美味しい。それに温かい。
ちょっとだけ体温が戻った気がする。
「監視したいのは分かるが、もう少し厚着してきた方が良い。暖かくなってきたとはいえ、夜はまだ冷えるし」
「そうよね…。気を付けるわ。ありがとう」
私を気遣ってくれた。なんだ、こいつ意外と良い奴だ…と。
思った、そのとき。
…ん?ルリシヤだと?
「…何でここにいるのっ!?」
私はびっくり仰天して、ペットボトルを地面に落としてしまった。
キャップ、ちゃんと閉めておいて良かった。
私はこっそり尾行して、こっそり監視しているつもりだったのに。
何で、監視対象に差し入れをもらってるんだ?
ルリシヤは、え、今気づいたの…?みたいな顔をしていたが。
そう、今気づいた。
「…四日くらい前から、監視されてることには気づいてたんだが…」
「…」
「その…今夜は凄く寒そうだったから、つい」
「…気づいてたのに、何も言わなかったの?」
「…」
ルリシヤは、心底申し訳なさそうに目を逸らした。
…つまり、気づいていたけど…声はかけなかったと。
私が右往左往しているのを、嘲笑ってたんだな。
なんて性悪な男だ。
そして私は、なんて尾行が下手なんだ。
「そもそも、割と目立つ格好してるから…気づかない方がおかしいと言うか…」
「…」
目立つ格好だと?
私の服が何だって言うんだ。完璧に決まってる。だってルレイアが選んでくれた服だもの。
大体、そんな変な仮面つけてるルリシヤに言われたくない。
その夜は、昨日までより更に気温が低かった。
私はぶるっ、と身を震わせて、溜め息をついた。
…寒いなぁ。
でも、ここでへこたれる訳にはいかない。
私は何としてもあのルリシヤの企みを暴き、ルレイアを救ってあげるのだから。
そう心に決め、きっ、と前を向いたものの。
「…へくちゅっ」
やっぱり寒かった。
厚手のコート持ってくれば良かったな…と思っていた、そのとき。
「…あの、これ。良かったら」
「ん?」
とんとん、と肩を叩かれて振り向くと。
ルリシヤが、熱い紅茶のペットボトルを片手に、申し訳なさそうな顔で立っていた。
「あ…ありがとう」
寒かったから、助かる。
差し出されたペットボトルを受け取り、キャップを開けて一口煽る。
うん、美味しい。それに温かい。
ちょっとだけ体温が戻った気がする。
「監視したいのは分かるが、もう少し厚着してきた方が良い。暖かくなってきたとはいえ、夜はまだ冷えるし」
「そうよね…。気を付けるわ。ありがとう」
私を気遣ってくれた。なんだ、こいつ意外と良い奴だ…と。
思った、そのとき。
…ん?ルリシヤだと?
「…何でここにいるのっ!?」
私はびっくり仰天して、ペットボトルを地面に落としてしまった。
キャップ、ちゃんと閉めておいて良かった。
私はこっそり尾行して、こっそり監視しているつもりだったのに。
何で、監視対象に差し入れをもらってるんだ?
ルリシヤは、え、今気づいたの…?みたいな顔をしていたが。
そう、今気づいた。
「…四日くらい前から、監視されてることには気づいてたんだが…」
「…」
「その…今夜は凄く寒そうだったから、つい」
「…気づいてたのに、何も言わなかったの?」
「…」
ルリシヤは、心底申し訳なさそうに目を逸らした。
…つまり、気づいていたけど…声はかけなかったと。
私が右往左往しているのを、嘲笑ってたんだな。
なんて性悪な男だ。
そして私は、なんて尾行が下手なんだ。
「そもそも、割と目立つ格好してるから…気づかない方がおかしいと言うか…」
「…」
目立つ格好だと?
私の服が何だって言うんだ。完璧に決まってる。だってルレイアが選んでくれた服だもの。
大体、そんな変な仮面つけてるルリシヤに言われたくない。