The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルヴィア

─────…さて、帰宅後。

家に帰るといつも通りフューニャの浮気チェックが入り、今夜も無事にそれをクリアした俺は、フューニャお手製の夕食を一緒に食べた。

その後、俺はソファに座って新聞を広げていた。

すると。

てこてこと寄ってきたフューニャが、俺の横に座って、ぽふ、と抱きついてきた。

これはいつものあれだ。

良い子良い子してちょうだい、って言ってるのだ。

フューニャさん、今夜は甘えたい気分らしい。

俺はフューニャの頭をよしよし、と撫でてやった。

フューニャはご満悦の様子。可愛い。

やっぱり夫婦のスキンシップって大事だよな。

…などと、呑気なことを考えていると。

甘えたいモードだったフューニャが、すっ、と俺から離れた。

あれ?甘えたいモードもう終わり?

「…ルヴィアさん、お願いがあるんですが」

「え、何…?」

そんな改まれると、とても怖い。

フューニャからお願い事されたことって、ほとんどないし。

「…実は今日、ミルミルからお手紙が来たんです」

「ミルミル…って言うと、フューニャの友達か」

その…箱庭帝国の。『青薔薇解放戦線』のメンバーだった子。

アシスファルトに亡命するとき、見送りに来てくれたよな。

「そうです。彼女が…箱庭帝国に遊びに来ないか、って…」

「え」

「…行っても良いですか?」

フューニャは、不安げな面持ちで俺にそう尋ねた。

行っても良いですかって、そりゃ行っても良いけど。

行かせてやりたいのは山々だけど。

でも。

「箱庭帝国行きのチケットが、そう簡単に取れるかどうか…」

俺も準備は進めているが、まだもうしばらくかかりそうなのだ。

「チケットはミルミルがくれたんです。ルアリスに頼んで取ってもらったって…」

何だって?
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