The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
再会を喜び合った後。

私は、ルヴィアさんに預けられていたものがあったことを思い出した。

そうだ、これを渡さなくちゃ。

「ルアリス、あの、これ」

「ん?何?」

私は、ルティス帝国から持ってきた紙袋をルアリスに差し出した。

「ルヴィアさん…私の夫の上司…の、夫から、ルアリスに渡してくれって頼まれて」

「フューシャの夫の上司の夫…?」

…そう思うと、結構遠いな。

「ルレイアって人なんだけど…知ってる?」

「え?ルレイア殿?」

ルアリスの顔が、さっと険しくなった。

…何で?

「る、ルレイア殿が俺に何を…?まさか、爆弾でも…いやいやまさか…いや、あの人ならやりかねない…いや…」

ぶつぶつと何かを呟いていた。どうしたんだろう。

ルレイアさんに、何か因縁でもあるのだろうか。

そんなに悪い人ではないと思うのだけど。以前、媚薬くれたし。

「…ん?ルレイア殿の夫…ということは、フューシャ、君のご主人は、ルルシー殿の部下なのか?」

「えぇ」

ルアリスも、ルルシーさんのことを知っていたようだ。

「そうか…。…しかし、これは一体何なんだろうな…」

ルアリスは、得体の知れない不審物でも見るように紙袋を眺めていた。

…?私も、中身が何かは聞いていないのだが…。

…そんなに、怯えるようなものだろうか?

「…気になるなら、開けてみては?」

「…」

「…?」

何故無言?

「…よし、開けよう。皆、一応離れていてくれ。何か恐ろしいものが入っている可能性がある」

…え。

そんな可能性が?

ルアリスはごくっ、と生唾を飲み、そっと紙袋を開けた。

すると中には、ティッシュ箱くらいの大きさの、包装紙に包まれた箱と。

メッセージカードが一枚、入っていた。

メッセージカードに書かれていた文章は、

『セトナさんとお楽しみに(*^^*)』。

「…?」

一同が、首を傾げた。

…セトナ様とお楽しみ?

「一体、何のことだろう…」

「分からない…。あの人の考えていることは全く分からない」

「楽しむものらしいから、そんなに悪いものじゃないんじゃない?」

「…そうだと良いけど」

恐る恐る、包装紙を開けてみる。

中に入っていたのは。

…チョコレート(媚薬入り)。

「…」

「…」

一同、しばし無言でそれを見つめた。

…何なんだ、これは。

「る、ルアリス…これ」

「…良い。良いんだ。分かってる…あの人はそういう人だって分かってるから、大丈夫」

ルアリスは、うんうんと頷きながらそう言った。

セトナ様は顔を真っ赤にしてそっぽを向いていた。

「むしろ、爆発物じゃなくて良かったと思わなくちゃ…」

「こんなお土産でも…一応、お礼はしないといけないんでしょうね」

「そうだな…」

…一歩間違えたら、嫌がらせだが。

ルアリスがおおらかな人で良かった。
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