The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルルシー

──────…一方、その頃。

ルティス帝国では。









「うぅ…。フューニャ…。フューニャ…」

「…」

項垂れて嫁の名を連呼するルヴィア。

「あはははは」

と、それを見て指差して笑うルレイア。

…部下から、「ルヴィアさんの様子がおかしい」との報告を受け。

ちょっと様子を見てみようと思って立ち上がったのが、五分前。

当然のように、ルレイアもついてきた。

そして、ルヴィアの部屋を訪ねたら、この有り様。

やつれ果てたルヴィアは、デスクに突っ伏して、嫁の名前をひたすら繰り返していた。

とりあえず、ルレイア。

指差して笑うのやめろ。

「大丈夫か、ルヴィア…」

とても…大丈夫なようには見えないが。

「フューニャ…フューニャに会いたい…」

「元気を出せ、ルヴィア」

「全ての人間がフューニャに見える…。いっそそこのボールペンすらフューニャに見える」

病気だ。

俺にはただの黒ボールペンにしか見えないぞ。

「あぁ、フューニャ…」

「…」

ルヴィアの意気消沈ぶりといったら、見ていられないほど。

それなのにルレイアは、他人事のように半笑いでこう言った。

「変態ですね、ルヴィアさん」

「…」

…ルレイアにだけは絶対言われたくない台詞、No.1だな。

何かあったらすぐ死神になるお前と比べたら、ルヴィアは天使みたいなもんだぞ。
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