The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…数時間後。

フューニャに監督されながら、徹底的に家の中を掃除した結果。

ようやく、家の中がもとの体裁を取り戻した。

完全には戻っていないが…とりあえず、住める状態にはなった。

フューニャに徹底的に取り締まられた為、家の中の油虫は一匹残らず昇天させられた。

申し訳ないが、彼らとはもう同居出来ない。

その後、フューニャが軽く夕飯を作ってくれたので、一緒にそれを食べた。

帰ってきたばかりで、フューニャだって疲れているに違いないのに。

俺が不甲斐ないせいで…。本当に申し訳ない。

コンビニ弁当は全然美味しくなくて、ほとんど喉を通らなかったのに。

フューニャのご飯は、美味し過ぎて泣きそうになった。

俺の胃袋はもう、フューニャにがっちりと掴まれているらしい。

捕まれてて良いよ。こんなに美味しいんだからさ。

「…フューニャ。里帰りは…楽しかったか?」

食べながら、俺はフューニャに尋ねた。

「えぇ。楽しかったですよ」

フューニャは、とても嬉しそうに答えた。

その顔を見ただけで、本当に楽しかったんだなってことが分かる。

良かったなぁ、フューニャ。

でも、楽しかったなら…尚更。

「…このまま故郷にずっといたいな、とは思わなかったのか?」

えぇ、思いました。

そう答えたとしたら、俺は何と言えば良いのだろう。

フューニャの為に…可能を故郷に帰してやるべきなのか?

しかし、フューニャは。

「思いませんね」

「…箱庭帝国…楽しかったんじゃないのか?」

「楽しかったですよ。でも、ずっといたくはありません。私の居場所はここですから」

「…!」

フューニャは、当たり前のようにそう言ってくれた。

…自分の居場所は、ここだと。

…そうか。そう思うようになったのか。

「だから帰ってきます。何度、何処に里帰りしようとも…私はここに帰ってきます。ルヴィアさんのもとに。そこが私の居場所ですから」

「…フューニャ…!」

…ぐずっ、と鼻水を啜った。

アホか、俺は。

「何を泣いてるんです、あなたは…」

「だって…。俺、フューニャが帰ってくるか心配で…」

「馬鹿ですね、本当に。呆れたものです」

言いながら、フューニャは俺の頭をよしよしと撫でた。

そんなことしないでくれ。余計に泣きそうになる。

「フューニャ…。今度の休み、俺と遊びに行かないか」

「良いですよ」

「フューニャ…は、俺に会えないの、寂しくなかったか?」

「…私は、寂しくなんてありません」

フューニャは顔を赤らめて、ふいっ、とそっぽを向いた。

「…私は寂しくなんてありません」

「…うん」

こういうところが、本当に可愛くてどうにかなってしまいそうだ。
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