The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
ラーメンを食べた後。

「はー、口の中が辛い…」

アイズは、手のひらで口の中を扇いでいた。

「そりゃそうだろうよ…」

あんなにラー油ぶちこんだ担々麺食べたら。

「デザートでも食べに行きます?最近××駅の方に美味しいクレープ屋が出来たそうですよ」

「あ、それ知ってる。いちごキャラメル味が美味しいのよね」

クレープ屋だと?

ったく幹部が揃って仕事放り出してクレープを楽しむなんて、悠長にも程がある。

だがまぁ…今は急ぐ仕事もないし。

何より甘いもので口直しをしてやらないと、アイズの口の中が大変なので。

…付き合ってやるか。俺はそう思ったのだが。

しかし。

「…悪いが、俺は先に戻ることにする」

ルリシヤだけは、クレープ屋をパスした。

「あれ、ルリシヤ。来ないんですか?」

「あぁ。ちょっと…立て込んでてな」

「…ふーん」

ルリシヤは、俺達から離れて、一人で本部に戻っていった。

…帰るのは、別に構わないけど。

「…立て込むような仕事、今あったっけ?」

「さぁ…」

「食ったら昼寝しなきゃいけないからじゃね?なんか眠そうだったし」

「それはお前だけだ」

誰もが皆お前のように昼寝ばっかしてると思うなよ。

…ルリシヤが何の仕事に追われているのか、気になるところではあるが。

「ま、あの人なら大丈夫でしょう。俺達は気にせず、クレープ食べに行きましょう」

「わーい。クレープ~」

「…」

俺の気も知らずに、良い気なもんだ。お前達は。
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