The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「…最近、怪しいよな。あいつ」

会議の後、ルルシーのお部屋に戻ると、ルルシーは第一声にそう言った。

「あいつって?」

「ルリシヤだよ」

あー…。あいつね。

ルルシーったら、まだルリシヤのこと疑ってるのか。

疑り深いなぁ、ルルシーは。

「怪しいですか?」

「怪しいよ。さっきの会議だって…何だかやけに眠そうだったし」

「午後ですからね。眠くなる時間帯じゃないですか。それに、アリューシャなんて眠そうを通り越して寝てましたよ」

会議中にも関わらず爆睡だったよ。

大した議題はなくて、ほとんどティータイムだったから、別に寝てても問題ないけど。

「アリューシャはいつものことだから良いんだよ。でもルリシヤが眠そうなのはおかしいだろ。今は…大した仕事もないはずなのに」

「…ですよねぇ」

革命が終わってからというもの、『青薔薇連合会』は近年稀に見ないほど平和である。

帝国騎士団との揉め事もないし、対立組織とのいさかいもなし。

平和と言うか…ぶっちゃけちょっと暇である。

だからこそ、アリューシャも昼寝をしたり、皆でお昼にラーメン食べに行ったりも出来る訳だが。

それなのに何故かルリシヤだけは、超繁忙期のように忙しくしているようだ。

…一体、何をやってるのかなぁ?

「何か企んでるんじゃないだろうな…」

と、ルルシーが疑うのも無理はない。

…まぁ、何かは企んでるんだと思うけどね。

そもそも、そうでなきゃ無理して幹部になんてならないでしょ。

「大丈夫ですよ。どうせいずれ分かることになるでしょうし…。どっしり構えてましょうよ」

「ルレイア…。お前はそう言うがな、少しは危機感ってものを」

「しかしシュノさんの新しいゴスロリワンピ、本当に可愛かったですねー。俺も新しい服買おうかな」

「真面目に話を聞け」

聞いてる、聞いてる。

ルルシーはちょっと心配性過ぎるんだよ。俺みたいに、深謀遠慮の振りして実は何も考えてないみたいな方が、生きていくのは楽だぞ。

「大丈夫ですって。ルリシヤは味方ですよ」

「…そう言いきれる根拠は、一体何処から来てるんだよ…」

何だろうね。…同類の勘かな?

ともあれ、俺の予想が正しければ…ルリシヤが何を企んでいるのか、その腹の内を知る機会は、そう遠くないうちに来るだろう。
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