The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…メールは読んでいると思うのだが。なかなか来ないな。

と、思っていたそのとき。

「ルルシーっ!!告白フラグを回収しに来ましたよーっ!」

奴は、満面の笑みで俺の執務室に飛び込んできた。

ほら見ろ。俺の予想通りじゃないか。

何が告白フラグだ。

「わざわざ来てもらって悪いな…ルレイア」

「いえいえ!とんでもない!ルルシーの為なら俺はいつでも、何処でも参上しますよ~、うふふ」

抱きつこうとするな。馬鹿。

ったく、こんな変態が俺の相棒だなんて…笑えないな。

「随分遅かったな。メールに気づかなかったか?」

「いえ?すぐ気づきましたよ。でもほら、色々準備あるでしょう?化粧直しとか、あとこれ、用意したり」

「…?何それ」

ルレイアは、何やら派手な金箔の袋を持っていた。

「結納金です」

「…」

…気のせいかな。目眩がする。

何にこにこしてんの?お前。

「早いところ納めようと思いまして。さぁ、ルルシー。告白フラグを回収しましょう!」

「…それどころじゃないだろ、ルレイア」

「え~…?」

まさか結納金まで持ってくるとは思わなかったが。

今は、それどころではないのだ。

「…」

俺達の珍妙なやり取りを、無言で見つめているヴァルタ。

ルレイアはそのヴァルタをちらっ、と見た。

彼女がいることに、初めて気づいたらしい。

そして、彼女を見た第一声。

「…ねぇ、ルルシー。何であんな…面倒臭い女がいるんです?」

「…」

俺は内心、溜め息をついた。

…やっぱり、ルレイアも気づいたか。

まぁ、そうだよなぁ。

俺が気づいて、ルレイアが気づかないなんてことは有り得ないよな。

ルレイアの観察眼は…俺よりずっと正確で、鋭いからな。
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