The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…俺が逃げ去った後。

「グリーシュさん!追いましょう。あの傷では、遠くには逃げられないはずです」

俺を撃ち損ねたグリーシュの腹心が、グリーシュにそう進言した。

しかし。

「いや、放っておけ。どうせあいつにはもう何も出来ない。ただの負け犬だ」

グリーシュは鼻で笑って、くるりと踵を返した。

「…これで二度と、あいつの顔を見なくて済む」

グリーシュが唇を噛み締めて、強く拳を握っていたことに、気づいた者はいなかった。





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