The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「拠点の移転先は?」

「不明です。今も探していますが…二重三重にもカモフラージュされていて、特定は難航しています」

「…随分と手際が良いと言うか…狡猾な連中だな」

本当。まるで帝国騎士団みたい。

本格的に、グリーシュ無能説が怪しくなってきたな。

と言うより、グリーシュに入れ知恵してる奴がいる説が濃厚になってきた。

ルリシヤの話を聞いていると、グリーシュにそんな狡猾なことが出来るとはとても思えないもん。

「拠点が見つかれば…すぐにでも奇襲するんですけどね」

「…このまま難航すれば、二度目が来るだろうな」

「分かっています」

まぁ…その化学兵器とやらも、次々と量産出来る訳ではないだろうから。

化学兵器なんてものを、人目につかずに大量に量産出来る場所は限られる。

原材料を集めるにも、一度に大量購入すればすぐにルートが割れてしまう。

ここまで拠点が絞れないということは、帝国騎士団や『青薔薇連合会』にばれないように、ごく少量ずつ原材料を購入し。

こっそり一器ずつ、ちまちま作っているはず。

つまり、何が言いたいかと言うと。

化学兵器の量産は、現状不可能ってことだ。

ちょっとずつ、少しずつ作るしかない。数が限られているのだ。

だから、短期間で何度も奇襲攻撃を行うことは出来ない。

次の奇襲までは…まだ間があると思って良い。

でも、だからって悠長にはしていられない。

オルタンスの言う通り、このまま手をこまねいていれば…遠からず、二回目があるだろう。

そして、このまま二回目、三回目があれば…国内だけの問題にはならない。

何がなんでも、早く探してぶっ潰さなくては。
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