The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「入るぞ、アイズレンシア先輩」
「あぁ、来たねルリシヤ」
パソコンの画面から顔を上げると、いつも通り黒ずくめで、仮面をつけたルリシヤが部屋に入ってきた。
仮面つけてるから、いまいち分かりづらいけど。
…何だか、疲れたような顔だ。
色々思い詰めてるんだろうなと思う。
私に言わせれば、ルリシヤは頭が良いばかりに、難しいことを考え過ぎなんだ。
そこのソファでうたたねしてるアリューシャを見習ったら良い。
見習い過ぎるとそれも問題だけどね。
さすがにアリューシャ二人の面倒は見切れないから。
「用件は何だ?アイズレンシア先輩」
「うん。あのね、アイズで良いから。長いでしょ、アイズレンシア先輩、じゃ」
「…じゃあ、アイズ先輩」
「それで宜しく」
真面目過ぎ。先輩後輩の関係なんて、『青薔薇連合会』の幹部は全然頓着してないのに。
アリューシャなんてどうなるのさ。先輩の部屋でお昼寝してるのに。
「さて、君を呼んだのは他でもない…。『セント・ニュクス』の拠点について、もう少し聞こうと思ってね」
「…」
ルリシヤは、暗い顔で俯いた。
あんまり、掘り返されたくないことなんだろうとは思う。
でも…現状私達があの組織の情報を得ようとしたら、ルリシヤを通すしかないのだ。
間違いなく、この中で『セント・ニュクス』のことを一番よく知っているのは彼だから。
「ごめんね。言いたくないことだろうけど…」
「…いや。大丈夫だ…」
「…」
…顔が暗いなぁ。
君のその仮面って、その暗い顔を隠す為のものなの?
そうじゃないでしょうに。
「…ルリシヤ。君、自分のせいでこんなことになったとか思ってない?」
「…っ」
あ、図星。
だよね。そうじゃなきゃそんな辛そうな顔しないよね。
「あのね、何度も言われたと思うけど。君のせいじゃないから」
「でも…あいつらを止められるのは、俺だけだったのに…。帝国騎士団まで巻き込んで、こんな大きなことに…」
「馬鹿だね。ああいう連中はね、誰かが止めたとしても同じことをしてたよ」
ルリシヤが止めたとしても、止まることはなかっただろう。
追い詰められれば、化学兵器を使ってでも勝ってやる。
そんな風に思うことが出来る奴らなのだから、いくら止めたって無駄。
止めたとしても、追い詰められたら今回と同じことをするだろう。
そういう敵なのだ。元々良識もモラルも重視してない。勝つことが第一優先なのだ。
そんな連中に、どうして説得が通用するだろう。
「君が責任を感じる必要はない。『セント・ニュクス』に裏切られた時点で、君はあの組織とはもう、何の関係もなくなったんだからね。今の彼らが何をしようと、君の預かり知るところじゃないでしょ」
「…済まない、アイズ先輩。俺に出来ることなら…何でもする」
「何でも?それは有り難いね…じゃ、一つお願いしても良いかな」
「?」
私は腕時計をちらり、と見た。
実は…そろそろ、時間なのだ。
「あぁ、来たねルリシヤ」
パソコンの画面から顔を上げると、いつも通り黒ずくめで、仮面をつけたルリシヤが部屋に入ってきた。
仮面つけてるから、いまいち分かりづらいけど。
…何だか、疲れたような顔だ。
色々思い詰めてるんだろうなと思う。
私に言わせれば、ルリシヤは頭が良いばかりに、難しいことを考え過ぎなんだ。
そこのソファでうたたねしてるアリューシャを見習ったら良い。
見習い過ぎるとそれも問題だけどね。
さすがにアリューシャ二人の面倒は見切れないから。
「用件は何だ?アイズレンシア先輩」
「うん。あのね、アイズで良いから。長いでしょ、アイズレンシア先輩、じゃ」
「…じゃあ、アイズ先輩」
「それで宜しく」
真面目過ぎ。先輩後輩の関係なんて、『青薔薇連合会』の幹部は全然頓着してないのに。
アリューシャなんてどうなるのさ。先輩の部屋でお昼寝してるのに。
「さて、君を呼んだのは他でもない…。『セント・ニュクス』の拠点について、もう少し聞こうと思ってね」
「…」
ルリシヤは、暗い顔で俯いた。
あんまり、掘り返されたくないことなんだろうとは思う。
でも…現状私達があの組織の情報を得ようとしたら、ルリシヤを通すしかないのだ。
間違いなく、この中で『セント・ニュクス』のことを一番よく知っているのは彼だから。
「ごめんね。言いたくないことだろうけど…」
「…いや。大丈夫だ…」
「…」
…顔が暗いなぁ。
君のその仮面って、その暗い顔を隠す為のものなの?
そうじゃないでしょうに。
「…ルリシヤ。君、自分のせいでこんなことになったとか思ってない?」
「…っ」
あ、図星。
だよね。そうじゃなきゃそんな辛そうな顔しないよね。
「あのね、何度も言われたと思うけど。君のせいじゃないから」
「でも…あいつらを止められるのは、俺だけだったのに…。帝国騎士団まで巻き込んで、こんな大きなことに…」
「馬鹿だね。ああいう連中はね、誰かが止めたとしても同じことをしてたよ」
ルリシヤが止めたとしても、止まることはなかっただろう。
追い詰められれば、化学兵器を使ってでも勝ってやる。
そんな風に思うことが出来る奴らなのだから、いくら止めたって無駄。
止めたとしても、追い詰められたら今回と同じことをするだろう。
そういう敵なのだ。元々良識もモラルも重視してない。勝つことが第一優先なのだ。
そんな連中に、どうして説得が通用するだろう。
「君が責任を感じる必要はない。『セント・ニュクス』に裏切られた時点で、君はあの組織とはもう、何の関係もなくなったんだからね。今の彼らが何をしようと、君の預かり知るところじゃないでしょ」
「…済まない、アイズ先輩。俺に出来ることなら…何でもする」
「何でも?それは有り難いね…じゃ、一つお願いしても良いかな」
「?」
私は腕時計をちらり、と見た。
実は…そろそろ、時間なのだ。