The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「お願いって…何をすれば良い?」

「『セント・ニュクス』の拠点について、質問にも答えて欲しいんだけど…もう一つ、良い?」

「何を?」

本当は、部下に頼むつもりだったのだが。

ルリシヤの方が、遥かに優秀だからな。

ルリシヤが引き受けてくれるなら有り難い。

「私、これから出掛けてくるから…私が戻るまで、『セント・ニュクス』の拠点探し、代わってもらって良い?」

「あぁ、問題ない」

即答であった。

具体的には、拠点とおぼしき怪しいポイントの近くにある監視カメラを漁ったり。

化学兵器の材料と思われる物質の販売・購入履歴を探ったり。

まぁ、地味で面倒な作業である。

その割には高度なハッキングの技術が必要とされるので、飽き性のアリューシャには絶対に頼めない。

「あ、そうだ…。ついでにそこの、アリューシャの面倒も見ててあげてくれる?」

「分かった」

「お願いね」

まぁ、多分夕方まで寝てると思うけど。

ルリシヤが快く引き受けてくれたので…私は、そろそろ行こうかな。

身支度をして部屋を出ようとしたところに、アリューシャがひょこっ、と起き上がった。

「アイ公、何処行くの?」

「あれ、アリューシャ。起きたの?」

アリューシャが昼寝の途中に目を覚ますなんて、珍しい。

「私、ちょっと出掛けてくるから。ルリシヤに面倒見てもらってね」

「ふーん…。…アイ公、大丈夫なの?」

「大丈夫だよ」

何処に行くのかなんて、アリューシャには何も言ってないんだけどな。

「そっかぁ…。んじゃ、アリューシャにお土産買ってきてな」

「はいはい。待っててね」

「おー」

普段はぽやんとしてる癖に、こういうところは勘が良いから、困った子だよ。アリューシャは。
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