The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
兄と別れて、『青薔薇連合会』本部に戻ると。

「…あ、アイ公だ。おけーりー」

「ただいま、アリューシャ。起きてたの?」

「ううん、寝てた!」

あ、やっぱり。

私が帰ってきた音を聞き付けて起きたんだね。

「お帰り、アイズ先輩。用事は終わったのか?」

「ルリシヤ。お疲れ様。用事は終わったから、あとは私が代わるよ」

私が外出してる間も、ずっと私が頼んだ作業をしてくれていたようだ。

「何か進展は?」

「申し訳ないが…目ぼしいのものは何も。済まない」

「気にしないで。こういう地道な作業は、成果が出にくいものだよ」

すぐに進展があったら、苦労してないよ。

それでもルリシヤが進めてくれたから、随分助かった。

「ありがとうね、ルリシヤ」

「いや…大したことじゃないよ」

「アイ公、アイ公。アリューシャも頑張ったぜ。なんと寝ながらルリ公の応援をしてた」

どや顔のアリューシャ。

ルルシーだったら、そんなの頑張ったうちに入るか、とひっぱたくところだろうが。

「そうなんだ。アリューシャもありがとう」

「へっへ~ん」

皆、馬鹿にしちゃあいけない。案外アリューシャの寝息をBGMに仕事してると、捗るものなのだ。

ルリシヤに対しても効果があったかどうかは疑問だが。

すると、そのとき。

「やっほー、アイズ、アリューシャ…あれ、ルリシヤもここにいたんですか」

「あれ、ルレイア」

グラマラスな男、ルレイアが私の部屋を訪ねてきた。

「どうかした?」

「今晩ルルシーん家で焼き肉パーティ開催しようと思って、メンバー募集中です」

ほう。それはそれは。

「はーい!アリューシャ行くー!アイ公も行くだろ?」

「そうだね。私も行こう」

「行って良いのなら、俺も」

私もアリューシャもルリシヤも、参加希望。

断る理由がないもんな。

「了解です。シュノさんも即OKもらったので、ルルシーにお願いしてきますね~」

「宜しくね」

…ルルシーには、事後承諾なんだね。

参加者を増やして、外堀を埋めてから断れなくする。さすがルレイアだ。

まぁ、大丈夫だろう。

私がアリューシャに甘いように、ルルシーもルレイアに甘いから。

「アリューシャ。野菜もちゃんと食べるんだよ?」

アリューシャにそう声をかけると、アリューシャは露骨にしかめっ面。

「えー。やだ~」

「ちゃんと食べれたら、明日アイスクリーム買ってきてあげるから」

「マジで?しょうがないな~。じゃ、ちょっとだけ食う」

「頑張ってね」

よしよし。昔はこう言っても頑なに食べなかったから、進歩したな。

ルルシーに聞かせたら、また甘やかして、と溜め息つくのだろうけど。

すると、ルリシヤが。

「…随分と優しいんだな」

ぽつりと私にそう言った。

優しい?うん、そうだね。

「…家族だからね」

私の大事な、第二の家族。

私に幸せをくれた、かけがえのない宝物だ。
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