The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
まぁ、いくらグリーシュが焦ろうと、『セント・ニュクス』に優秀な強力者がいる以上、それほど思惑通り動いてくれることはないと思うが…。

「…私も、やってみる価値はあると思う」

ルリシヤに加え、アイズレンシアもそう言った。

「いずれにしても、今はもう手詰まりの状態なんだ。何かを変えないと、何も変わらない。なら、大胆でもルレイアの作戦を実行した方が良い」

「…アリューシャ、よく分かんねぇけど…。でも、ルレ公とアイ公が言うんだから、それが正しいと思う」

「わ、私もっ…。私もルレイアを信じるわ。もしそれが間違っていたとしても、私は後悔しない。ルレイアについていくわ」

「…皆さん…」

思わず、胸が熱くなった。

でも、いくら四人が賛成してくれても…。

「…ルルシー、あなたはどうです?」

ルルシーが賛成してくれない限りは、実行には移せない。

するとルルシーは、何を分かりきったことを、という風に。

「お前が危険に飛び込むってんなら、俺も一緒に行く。何度も言ったろ?お前を一人では行かせないよ。地獄でも何処でも、最後まで付き合ってやる」

「…ルルシー…」

…今、俺の胸、きゅんってした。

少女漫画だったら、効果音に「きゅんっ…」て描いてあるよ。

「…ルルシー、今のは…愛の告白と解釈しても…」

「良い訳ねぇだろ。緊張感のない男だな、お前は。もっと真面目になれ」

「『一人ではイカせない』って言いましたよね?ルルシー、是非俺と一緒にいっ…」

「違う馬鹿。そういう意味じゃない!」

べしっ、とはたかれた。痛い。

もう俺、今日のこれだけで、夜はお腹一杯になれるな。
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