The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
しかし、ヴァルタは名前を覚えていたのに対し。

「…名前なんでしたっけ。ルファディオ?」

俺は、名前すら忘れられていた。

ルファディオって誰?最初の「ル」しか合ってない。

「馬鹿、ルレイア…。ルファディオはお前の兄貴だろ」

ルルシー殿が呆れたようにルレイア殿をたしなめた。

「そうでしたっけ?じゃあ名前って何でした?あなた誰です?どちら様?俺のハーレムの男性会員に加入希望の方ですか?」

やめてくれ。寒気がする。

「あの…ルアリスです、ルレイア殿…。箱庭帝国の。『青薔薇解放戦線』のリーダーだったルアリスです。遊びに来いって、お手紙くれたじゃないですか…」

「ルアリス…?あぁ、革命なんてアホなことを思い付いた、童貞の世間知らずお坊っちゃまのルアリスですか?」

「…そう、それです」

ルレイア殿が俺のことをどう思っていたのか、よく分かった。

かなり傷つきました。

そう、そのルアリスです。あなたに呼ばれたんです。

「よく来てくれましたね~、ルアリス。いやぁ懐かしい。元気でした?」

「はい、お陰様で…。ルレイア殿もお元気そうで何よりです。一度はその…お怪我をされたと聞きましたが」

「そんなことありましたっけ?いや、でも良いんですよそれは。確かに怪我はさせられましたが、今はこうして彼とも仲間になってますからね」

…彼?

え?もしかしてそこの仮面さん?

この人に怪我させられたのか?ルレイア殿を怪我させた人が、何故ルレイア殿の仲間に?

頭の中は疑問符だらけだったが、全ての疑問はとりあえず横に置いて。

「あの…ルレイア殿、この度はどうして俺を…」

「あ、そうだルアリス。あなたセトナさんとの結婚式はいつなんですか?」

「!?」

びっくりし過ぎて、噴き出すかと思った。

「そろそろ国も落ち着いてきたでしょう。早く結婚して跡継ぎ作ったらどうです?今から生殖始めれば、枯れるまでに20人くらいは製造出来るんじゃないですか?」

多い。

多ければ良いってものではないだろう。

いや待て。一体何の話だ。

「あ、それとも今はお妾さんに夢中ですか?何人はべらせたんです?何ならルティス帝国で現地妻作って、国にお持ち帰りします?」

「な、な、な…何の話ですか、ルレイア殿」

俺は、何とか絞り出すように声を出した。

お妾?現地妻?

俺の理解が及ばなくなってきた。
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