The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「何の話って…。あなたセトナさんとヤったんじゃないですか?」

「やっ…」

…やったって、何をですか。

何もやりません。

「…やってませんよ」

「え?あなた相変わらず馬鹿なんですか?」

相変わらずって。

そりゃ前々から、散々馬鹿馬鹿言われてきたけど。

「あなた達、いつまで片想い続けるんですか?あなたがさっとヤって既成事実を作らないから、お互い牽制のし合いが続くんですよ。早くやることヤって子供作ったらどうです?結婚なんて良いじゃないですか後回しで。とりあえず作っとけば」

順序が逆です。

子供って、とりあえずで作るものじゃないから。

駄目だ。少しはましになっているかと思ったが、ルレイア殿の貞操観念は相変わらず見る影もなく崩壊している。

それに。

「俺はともかく…セトナ様は…俺のことなんて、別に眼中にないですよ…。そもそも俺達は元々革命の同志だった訳で…そういう関係に発展するというのは…。セトナ様にも失礼ですし…」

「うわ、うざっ。きもっ。そういうのどうでも良いんで。やめてくれません?男がもじもじするの気持ち悪くて見てられないんですけど」

「…」

…どうも済みませんでしたね。

「とにかく結婚式には呼んでくださいね?俺とあなたの仲じゃないですか」

「は、はぁ」

名前を忘れられていた仲なんですが。

結婚式なんて…。するにしたって、きっとまだまだ先だ。

相手だっていないのに…。

「…」

俺の頭の中には、セトナ様の姿が浮かんでいた。

いやいや、ちょっと待て。何を考えている。

ルレイア殿に呑まれてはならない。

「ルアリスは俺が育てたと言っても過言じゃありませんしね。結婚式では親友代表としてスピーチしてあげますよ。あ、代わりに俺とルルシーの結婚式ではあなたもスピーチしてくださいね」

「安心しろ、ルアリス。そんなスピーチをする日は永遠に来ないから」

「ルルシーのいけず~!」

「いけずじゃない。大体お前、久々に会ったっていうのに、もっとまともな話は出来んのか」

そんなこと喋る為にわざわざ箱庭帝国から呼んだ訳じゃないだろ、とべしっ、とルレイア殿をはたくルルシー殿。

『青薔薇連合会』の本部に足を踏み入れた瞬間、なんだか前よりもピリピリしているように感じたのだが…。

どうやら、勘違いのようだ。

相変わらず、ルレイア殿はルレイア殿らしくて…安心した。
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