The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

─────…俺達は、『セント・ニュクス』を無視することに決めた。

お陰で、拠点探しなんて煩わしい仕事からも解放されたので、俺は何か楽しいことをして遊ぼうと思った。

だからルアリスを呼びつけた。弄って遊べるし。

俺はルアリスにとって、頼れる先輩なんだからな。断るはずもないし。

よし、存分に遊ぼう。

「そうだ、ルアリス。あなた俺が買ってあげた服はどうしたんですか。何で着てないんですか?」

「えっ…。な、何でって…」

「まさかクローゼットにしまい込んでるなんてことはないですよね…?俺が丹精込めて選んだ服を…」

「私はたまに着てるよ」

と、ヴァルタ。

偉い。ヴァルタは偉いぞ。

「その…俺もたまに…たまに着てます」

そういうことは、俺の目を見て言えよ。

全く、不出来な後輩だなルアリスは。俺の選んだ服を着てないだなんて。

よし。滞在中、めちゃくちゃ弄ってやろ。

何なら新しい服を押し付けても良いかも。俺はセンスが良いからなぁ。

「今の流行りは仮面とマントなんですよ。ルアリスにもプレゼントしてあげましょう。ねっ、ルリシヤ。仮面人口増やしましょう?」

「それは良いな。誰かは知らないが、仮面似合うと思うぞ。つけてみると良い」

「え、えぇっ…」

誰か知らないのに仮面を勧めるルリシヤ。さすがである。

折角会いに来てくれたんだからな。箱庭帝国からはるばる。

たっぷりと遊んであげなくては、失礼というものだ。

「さて、ルアリス。一緒に食事でも言って、そして服を選びましょう?」

「は、は、はい…」

声が震えてるんだが、気のせいかな。

うん、気のせいだろう。

久々に俺に会えて嬉しいんだ。きっとそう。

「あぁそうだ…。一応聞いておくんですけど」

「…はい?」

「あなた、『セント・ニュクス』って聞いたことあります?」

「…?」

…あ、やっぱり違うのか。

その間抜けな顔見たらすぐ分かるよね。

じゃあ良いや。ちょっと安心した。

「それと、ルアリス。カセイは元気ですか?カセイ・リーシュエンタールは」

「カセイ…?えぇ、元気ですよ。俺の留守を預かってくれてます」

「箱庭帝国にいるんですよね。彼女は優秀ですか?」

「はい…優秀ですけど…それが何か?」

何故そんなことを?と首を傾げるルアリス。

ふむ。もしかしてカセイなんじゃないかと思ったんだが、やっぱり違うようだな。

まぁ、そりゃそうか。カセイにそんな器用なことが出来るとは思えないし。

「いえ、何でも。とにかく行きましょう。夜は俺のお店に連れてってあげますよ。気に入ったのがいれば三匹くらいお持ち帰りしても…」

「遠慮しておきます…」

なんだ、それは残念。

ルアリスを呼びつけた一番の理由も解決したことだし、あとは心置きなく、たっぷりと弄って遊ぼう。
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