The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「久しいのう、フューシャよ。元気にしておったか」

「ミルミル…!どうしたの?何でここに?」

クランチェスカ家を訪ねてきたのは、箱庭帝国時代のフューニャの親友、ミルミルであった。

箱庭帝国にいるはずの彼女が、何故ここに?

「ルアリスが、ルレイア殿とやらに誘われての。妾も同行したのじゃ。今度は妾がそなたに会いに来ようと思ってな」

ルアリスが、ルレイアさんに呼ばれた?

そうだったのか…それでミルミルが一緒に。

ルレイアさん、何でルアリスを呼んだんだろう?

「そうだったの…。連絡くれたら良かったのに」

「いきなり行って驚かせてやろうと思うたのじゃ。どうじゃ、驚いたか?」

「驚くに決まってるでしょ。本当に…相変わらず、破天荒なんだから」

「ふふ」

ミルミルは勿論、フューニャも…呆れた様子ではあったが、でも嬉しそうだった。

思いがけない親友との再会だ。嬉しくないはずがない。

それも今度は、こちらから訪ねていったのではなく、向こうから訪ねてきてくれたのだ。

…そりゃ嬉しいよな。

フューニャは楽しそうにミルミルとお喋りしていた。

俺はそんな二人を眺めながら、ふと思った。

…あれ?俺…邪魔じゃね?

もしかして俺…今、要らなくね?

俺はそっと立ち上がって、足音を立てないようにそろそろとリビングを抜け出した。

ミルミルは勿論、フューニャも、俺が密かにフェードアウトしたことには気づいていらっしゃらなかった。

「…」

俺の家…のはずなのだが。

…瞬く間にして、俺の居場所がなくなった。
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