The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
とにかく、ルレイアを黙らせるのが先決だった。

俺は箸を手に取り、野菜を摘まんで、ルレイアの口許に持っていってやった。

するとルレイアは、目を輝かせてぱくついてきた。

よし。これでルレイアは無力化。

繰り返しルレイアに食べさせてやりながら、ようやく俺は落ち着いてルヴィアと話した。

「ルヴィア、良いか。落ち着くんだ」

『うぅ…。フューニャ…。下手くそでごめん…』

「…」

慰める言葉が見つからない。

本当にあの子、ルヴィアを下手くそ呼ばわりしたのか?ルヴィアの被害妄想では?

あのラブラブ夫婦が、例え友達の前だからってそんなこと言うとは思えないんだがな。

多分、自分だけ追い出されたのがショックで、幻聴が聞こえ始めてるんだろう。

大丈夫かよ、ルヴィア。

「…元気出せ、ルヴィア」

『うぅ…。俺の居場所がない…。役立たずの邪魔者…』

重症だな。

このままじゃルヴィアの奴、本当に公園で段ボールを頭から被りかねない。

仕方ない。

「ルヴィア、実は今、本部の近くの○○屋でルアリス達と飯食ってるんだが…。行く場所がないなら、良かったら来るか?」

『え…』

ルレイアもルリシヤもルアリスも、文句は言うまい。

「奢ってやるから、おいで」

『…ありがとうございます、ルヴィアさん…。でも、やめておきます』

え?

「来ないのか?」

『はい…。皆さんで仲良くお食事してるのに…俺が入っていったら邪魔なだけですから…』

物凄く可哀想。

「でも…ルヴィア、今夜はどうするんだ?」

多分、家にミルミル泊まるんだろう?

『大丈夫です…。何処に行っても邪魔な俺は、米びつの生米をかじって、それから玄関で新聞紙被って寝ますから…』

全然大丈夫ではない。

俺の部下、何にも悪いことしてないはずなのに。何だこの仕打ち。

『愚痴、聞いてくれてありがとうございました、ルルシーさん…。楽しいお食事の途中なのに、お邪魔して済みません…。本当俺、邪魔で済みません…。隅っこにいるので許してください…』

「おい待てルヴィア、俺は別にお前のこと邪魔じゃ、」

『お邪魔しました…』

「あ、ルヴィア」

ぷちっ、と通話が切れた。

「…」

…あいつ、大丈夫だろうか。

明日…昼飯、鰻重奢ってあげよう。
< 591 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop