The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルアリス

─────…ルレイア殿と夕食を共にした、翌日。

「そういやルアリスって、いつまでこっちにいるんですか?」

「…」

早く返れよ、と言わんばかりに。

ルレイア殿は、俺にそう尋ねた。

「…あのな、ルレイア。こいつら昨日来たばっかだから。来てすぐいつ帰るのか、なんて失礼だろ」

ルルシー殿が、ルレイア殿を軽くこつんと小突いていた。

いや…ルレイア殿ってそういう人だから、もういちいち気にしてない。

「で、滞在はいつまでなんですか?」

「明日には…帰国するつもりです。セトナ様やユーレイリーに仕事任せてきてますし」

「ふーん」

全然興味なさそう。自分から聞いてるのに。

随分慌ただしい旅行だ、と思ってるのかもしれない。

俺もそう思うけど、でもあんまり長く留守にして、残してきたセトナ様達に負担をかけたくはない。

「…ん?そういやあなた、今箱庭帝国の代表なんですよね」

ルレイア殿は、思い出したように言った。

「?一応…そんな感じのものですが」

「へぇ。一国のリーダーがこんなところに遊びに来てて良いんですか?」

「…」

…今?

今聞く?それ。

呼び出したときに思い出して欲しかったな。

「済まん、ルアリス…」

ルルシー殿が、申し訳なさそうな顔をして俺に詫びた。

「いえ、大丈夫です…」

ルレイア殿はそういう人だって、俺、ちゃんと分かってるから。

むしろルレイア殿、今日も通常運転で安心した。

やはり…俺の心配は、杞憂だったのだろう。

「確かに、忙しい立場ですけど…。でも、ルレイア殿は俺にとって、そして箱庭帝国にとっても、大事な恩人ですから。呼んでくださればいつでも駆けつけます。俺の助けが必要なときは、いつでも言ってください」

ルレイア殿が助けを必要とするときなんて、まずないと思うけど。

それに、このルレイア殿が助けを求めなきゃいけない状況で、俺に出来ることなんてたかが知れているだろうけど。
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