The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
sideグリーシュ
──────…俺は、酷くイライラしていた。
「…一体、あいつら何を考えてるんだ」
どうしても、腑に落ちなかった。
『青薔薇連合会』に宣戦布告し、「彼ら」の助言通りに、怪しい化学兵器も使った。
『青薔薇連合会』はまさか俺達がそんな手を使ってくるとは思っていなかったようで、慌てふためいて逃げていった。
あれは、本当に痛快だった。
我こそはルティス帝国裏社会の頂点と傲り昂っていた『青薔薇連合会』が、俺達の策に嵌まって、泣いて逃げ出していったのだから。
あの日、俺は祝杯をあげた。あんなに嬉しいことはないとまで思った。
俺達のような、貧民街出身のクズでも、あの『青薔薇連合会』と渡り合える。
俺達が『青薔薇連合会』を退け、奴らに成り代わることだって出来るのだ。
夢ではない。この戦いに勝ちさえすれば、俺の夢は現実になるのだ。
これでもう、俺も、俺の仲間達も、金持ちの権力者に虐げられることは二度となくなる。
これこそ、俺の悲願であった。
その悲願を叶えてくれると言うから、「彼ら」とも手を組んだ。
「彼ら」の助言のままに、化学兵器なんてものにも手を出した。
俺はそれが何なのか知らなかった。化学兵器という言葉は聞いたことがあったが、どんなものなのか、どんな効果があるのか、何も知らなかった。
「彼ら」は教えてくれた。とても強力で、どんなに強い敵でもあっという間に一網打尽にしてしまえる、万能な兵器なのだと。
取り扱いは少々難しいし、大量の量産も出来ないが、問題はない。少しあるだけで抜群の効果を発揮する。
こちらには被害を及ぼさず、敵だけを殲滅してしまえる兵器だと。
最初は、俺も訝しんだものだった。そんな都合の良い兵器が、本当にあるのかと。
でも、「彼ら」の話は本当だった。
本当に、そんな都合の良い兵器があったのだ。
製造方法も、取り扱い方法も「彼ら」が教えてくれた。「彼ら」は元々、自分達で使う為に毒ガスの研究をずっと続けてきたのだそうだ。
その知識を、俺達に提供してくれた。
製造の途中に、参考として実験の動画を見せてくれた。
10匹ほどの猫が閉じ込められた小さな箱の中に、空き缶のようなものを投げ入れた。
すると途端に白い気体が発生し、猫達は狂ったように暴れながら、泡を吹いて死んだ。
これが化学兵器の威力だと、「彼ら」は自信たっぷりに語った。
正直俺はピンと来なかった。猫を殺すくらい、ナイフ一本で充分事足りる。
こんなチャチな空き缶で、本当に『青薔薇連合会』を一網打尽に出来るのか?
疑問を抱きながらも、俺は『青薔薇連合会』に宣戦布告し、いよいよ開戦となった。
予定通り、俺達は製造したばかりの化学兵器を使った。その効果は…前述の通りだ。
こんなちっぽけな空き缶が、『青薔薇連合会』の屈強な兵士達を一掃する。
今度は猫達ではなく、憎い敵の兵士がばたばたと倒れていくのだ。
俺の胸は高鳴った。まるで、まるでこの兵器は、俺達のようじゃないか。
奴らが舐め腐っていた貧民街のゴミ達が、牙を剥く。
俺は喝采を叫んだ。こんなよく出来た皮肉があるのかと。
化学兵器の威力は素晴らしかった。銃やナイフなんかより、余程効果的だ。
こうして、『青薔薇連合会』との最初の対決は、俺達の勝利に終わったのだった。
「…一体、あいつら何を考えてるんだ」
どうしても、腑に落ちなかった。
『青薔薇連合会』に宣戦布告し、「彼ら」の助言通りに、怪しい化学兵器も使った。
『青薔薇連合会』はまさか俺達がそんな手を使ってくるとは思っていなかったようで、慌てふためいて逃げていった。
あれは、本当に痛快だった。
我こそはルティス帝国裏社会の頂点と傲り昂っていた『青薔薇連合会』が、俺達の策に嵌まって、泣いて逃げ出していったのだから。
あの日、俺は祝杯をあげた。あんなに嬉しいことはないとまで思った。
俺達のような、貧民街出身のクズでも、あの『青薔薇連合会』と渡り合える。
俺達が『青薔薇連合会』を退け、奴らに成り代わることだって出来るのだ。
夢ではない。この戦いに勝ちさえすれば、俺の夢は現実になるのだ。
これでもう、俺も、俺の仲間達も、金持ちの権力者に虐げられることは二度となくなる。
これこそ、俺の悲願であった。
その悲願を叶えてくれると言うから、「彼ら」とも手を組んだ。
「彼ら」の助言のままに、化学兵器なんてものにも手を出した。
俺はそれが何なのか知らなかった。化学兵器という言葉は聞いたことがあったが、どんなものなのか、どんな効果があるのか、何も知らなかった。
「彼ら」は教えてくれた。とても強力で、どんなに強い敵でもあっという間に一網打尽にしてしまえる、万能な兵器なのだと。
取り扱いは少々難しいし、大量の量産も出来ないが、問題はない。少しあるだけで抜群の効果を発揮する。
こちらには被害を及ぼさず、敵だけを殲滅してしまえる兵器だと。
最初は、俺も訝しんだものだった。そんな都合の良い兵器が、本当にあるのかと。
でも、「彼ら」の話は本当だった。
本当に、そんな都合の良い兵器があったのだ。
製造方法も、取り扱い方法も「彼ら」が教えてくれた。「彼ら」は元々、自分達で使う為に毒ガスの研究をずっと続けてきたのだそうだ。
その知識を、俺達に提供してくれた。
製造の途中に、参考として実験の動画を見せてくれた。
10匹ほどの猫が閉じ込められた小さな箱の中に、空き缶のようなものを投げ入れた。
すると途端に白い気体が発生し、猫達は狂ったように暴れながら、泡を吹いて死んだ。
これが化学兵器の威力だと、「彼ら」は自信たっぷりに語った。
正直俺はピンと来なかった。猫を殺すくらい、ナイフ一本で充分事足りる。
こんなチャチな空き缶で、本当に『青薔薇連合会』を一網打尽に出来るのか?
疑問を抱きながらも、俺は『青薔薇連合会』に宣戦布告し、いよいよ開戦となった。
予定通り、俺達は製造したばかりの化学兵器を使った。その効果は…前述の通りだ。
こんなちっぽけな空き缶が、『青薔薇連合会』の屈強な兵士達を一掃する。
今度は猫達ではなく、憎い敵の兵士がばたばたと倒れていくのだ。
俺の胸は高鳴った。まるで、まるでこの兵器は、俺達のようじゃないか。
奴らが舐め腐っていた貧民街のゴミ達が、牙を剥く。
俺は喝采を叫んだ。こんなよく出来た皮肉があるのかと。
化学兵器の威力は素晴らしかった。銃やナイフなんかより、余程効果的だ。
こうして、『青薔薇連合会』との最初の対決は、俺達の勝利に終わったのだった。