The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「ふふっ、シュノさんは~、これなんか可愛いんじゃないですか?」

「うん、可愛い…」

「アリューシャこれ知ってる!前社員旅行の夜に着てた奴だろこれ」

「あれは寝間着だったけど、これは外で着るんだよ、アリューシャ」

「仮面つけたままでも似合うかな。やっぱり黒が良いな」

「さすがルリシヤ!分かってますね。やっぱり黒ですよ」

「…」

…あのさ。

俺仕事したいんだけど、こいつら何でわざわざ俺の部屋でわちゃわちゃ騒いでんの?

よそでやれよ。

わざわざ俺の部屋でやるのは、あれなのか。嫌がらせなのか?そうなのか?

と言うかこいつら、何の話してるのか知らないが、遊んでないで仕事をしろよ。

いくら『セント・ニュクス』スルー検定実施中とはいえ。通常業務は普通にあるだろ。

何で遊んでんの?

すると。

「失礼します、ルルシーさん」

「あっ、ルヴィア」

俺の部下のルヴィアが訪ねてきた。

先日ルヴィアは自分のことを役立たずとか下手くそだとか言って、捨てられた子犬ならぬ捨てられたルヴィアになっていたので。

翌日慰めてやろうと思って彼の部屋を訪ねたら、めちゃくちゃ元気で艶々してて、小一時間嫁の惚気話を聞かされて撃退された。

元気だったのは良かったけど、なんだか恩を仇で返された気分になった。

それはともかく。

「これ、サインお願いします」

「あぁ…分かった」

ルヴィアから書類を受け取る。ルヴィアはちらりと横を見て、わちゃわちゃ騒いでいる幹部組を眺めていた。

…アホな上司達だと思ってんのかなぁ。

「ルレイアさん、一体何の話してるんですか?」

ルヴィアは果敢にも、ルレイア達の話の中に入っていった。

あいつ勇気あるな。俺はもう無視することにしたぞ。『セント・ニュクス』と同じく。

「あ、ルヴィアさんじゃないですか。丁度良かった。あなたも選ぶと良いですよ、嫁に」

「えっ、嫁?」

嫁の言葉を聞いて、ルヴィアの目が光った。

あぁ…俺の部下が段々ルレイアに染まっていく。

「可愛いですよ、ほら。今年の新作です」

「うわっ…本当、可愛いですね。嫁、似合いそう…」

「これ着て街に繰り出すと良いですよ。はい、カタログあげます」

「ありがとうございます!ルレイアさん」

…。

…ところでさ。

…こいつら、何の話してんの?
< 607 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop